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陸上選手が瞬発力を高めるためにクリーンを行うならキャッチはいらない

 

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陸上アカデミア代表。 中学時代に陸上競技と出逢い、以降大学まで10年間陸上競技に打ち込む。青山学院大学時代には走り幅跳びで全国7位&大学記録更新を達成。『幼少期の運動能力は将来の学歴と年収に比例する』という衝撃の研究結果と出逢い、『学力を上げるためのかけっこ教室』を運営している。
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走り幅跳びの記録を向上させるならウエイトトレーニングでクリーンを行うべきだが、どのクリーンを行えばよいのか?
許容上限向上ならクリーンプルを行ってマックスを向上させよう。

こんにちは、陸上アカデミアの内川です。
今回はクリーンシリーズ第2弾です。

内川

以前走り幅跳び選手はハイクリーンを行うべきだという記事を書きました。
その記事の中で「クリーンがなぜパフォーマンスを向上させるのか?」という問いを投げ、それはトリプルエクステンションを用いるクイック種目だからという内容をご紹介しました。

→【走り幅跳び選手はウエイトトレーニングのハイクリーンで記録が劇的に伸びる!

今回はクリーンよりも効果的に伸展を行えるクリーンプルという種目をご紹介します。

本日の質問

陸上競技の練習の一貫でクリーンをしているのですが、キャッチの時に肩と肘が痛みます。

そこで質問なのですが、瞬発力を鍛えるだけならばキャッチは必要ないでしょうか?

悩める相談者

今日はこの質問に回答していきます。

まとめると

瞬発力を鍛えるだけならクリーンのキャッチを入れなくていいのか?

ですね。

ではここから回答していきます。

結論

【今日の結論】
出力向上という目的のみならよいが、伸展ー収縮サイクルを速めるのなら通常クリーンも行うべき。

クリーン種目で大切なことはたったの3つだけ

前回の記事でクリーンの種目や気を付ける点、なぜ走り幅跳びの記録が伸びるのかは解説してきました。
その中でも話しましたがクリーンで大切なことは以下の3点のみです。

  1. 挙上重量(おもりの重さ)
  2. 伸展幅(関節の角度)
  3. 伸展速度(関節の角速度)

それぞれ解説していきます。

1.挙上重量

これは言わずもがなですね。
重いおもりが挙がった方がより大きい力を発揮できるのは誰でも分かるかと思います。

クリーンに限らず最大挙上重量向上させることが大切です。

2.伸展幅

最も大切な要素が伸展幅です。
伸展幅とは一体何なのでしょうか?

クリーンにおける伸展幅

以下の4パターンのクリーンで、何番目のクリーンが最も関節が大きく動いているでしょうか?

答えは1>3≧2>4です。

バーベルを床から引き上げてしゃがみこんでキャッチする1が最も伸展幅が広く、逆に膝の位置から引き上げてあった状態でキャッチする4が最も伸展幅が狭いです。

関節が大きく動くほど筋肉を使っている

すなわち関節の角度は1が最も伸び縮し、4が最も伸び縮しないことが分かるかと思います。

この記事でも解説しましたが、関節が広く動くほど筋肉も伸び縮みします。
従って1が最も筋肉を使い、4が最も筋肉を使わないということです。

つまり筋肉を使う、筋肉をつけるという観点からみると1が最も優秀だということがわかります。

3.伸展速度(関節の角速度)

2番は関節の伸展する角度の話でした。
では関節が大きく開いたとして、その速度がゆっくりだとしてもその効果は得られるのでしょうか?

筋肉の収縮は膝関節の速度に比例する

関節が大きく開けば筋肉を大きく使うということは、関節を素早く伸び縮みさせればその分筋肉も早く伸び縮みすることが分かるかと思います。
ということは筋肉がどれだけ早く伸び縮みするかは、関節の速度(角速度)を測定することによって判別することができます

つまり膝関節の速度変化を観察すれば、対象筋肉がどれほど収縮しているかを測定することができるわけです。

なぜ膝関節の角度に注目するのか?

なぜ膝関節の角度の注目するかというと、膝関節が最も計測しやすい関節だからです。
足首や股関節も伸展はしますが、外から見た時に計測するのが容易ではありません。

一方膝関節は外から見た時に今どの角度かということが非常にわかりやすいので、観察対象は膝関節とします。

クリーンで追及するべき要素はこれだ

ここまでを総括してクリーンで必要なことをまとめるとこのようになります。

なるべく重い重さで、膝関節を最大速度で最大限伸縮させること

この結論を見ると、先ほどの1番のクリーンが最も効果のあると思いますよね?

w

ですがスポーツはそんなに簡単なものではないんです。

→【ウエイトでつけた筋肉は使えない?それめっちゃ時代遅れです。

陸上の記録はキャッチによって変わるのか?

ここで質問なんですけれども、陸上競技での動作でキャッチは必要ありますか?
クリーンがなぜあの形になっているかと言うと、ウエイトリフティングではあの形が正しいフォームだからです。

走り幅跳びで正しい試技の形がきちんと着地することであったとしても、練習で毎回着地は入れませんね? それと同じで目的のある練習ならば、正しいフォームの一部を抜き出して練習することもアリなのです。

キャッチを入れると角度、角速度が低下する

この結論を裏付けるかのように、実はキャッチを入れると膝角度それから膝角速度が共に低下します。

膝関節角度変化(°) 膝関節角速度
100%クリーン 38.7±8.0 202.4±36.0
100%パワークリーン

(直立キャッチ)

42.3±4.2 239.3±45.3
100%クリーンプル

(キャッチなし)

49.6±5.6 240.6±44.8

なぜこうしたことが起きるかというと、キャッチの動作自体がバーベルが完全に挙上する前に膝を収縮させ始めないといけないからです。
バーが完全に上がりきる前に膝の収縮を始めて重心を下げていかないと、キャッチ体勢が取れないんですね。

つまりこのフォームは「縮んだ状態から伸びて縮む」の角度は最大となりますが、伸び切った際の角度と速度が低下するということです。

伸展時と伸縮時の角度・角速度をどちらも最大にすることはできない

ここまででクリーンを行うときは

  1. 挙上重量(おもりの重さ)
  2. 伸展幅(関節の角度)
  3. 伸展速度(関節の角速度)

これだけ気をつければよいということがわかりました。
そしてこの1~3を総括すると

なるべく重い重さで、膝関節を最大速度で最大限伸縮させること

が最適解ということ。

2,3と1repsでの膝の伸縮角度を最大にすることは両立不可能

ということもわかりました。

つまりフルでクリーンを行うと角度・角速度は低下するし、角度・角速度を最大化するとキャッチは入れることはできないということです。

そもそもキャッチはいるのか?

ここで考えなくてはいけないのは、「そもそもキャッチ自体がいるのか?」ということです。

クリーン動作はプルとキャッチに分けることができ、プルは筋肉を一瞬で伸展させて爆発的パワーを発揮させる局面
キャッチは逆に一瞬で収縮させて素早くバーの下に潜り込む局面です。

つまりあなたが今鍛えたい能力が「一瞬で伸展させ爆発的パワーを発揮する能力」であるなら、キャッチはいらないです。
もっと言うと「クリーンのマックスを上げたい場合はキャッチはいらない」です。

それはそうですよね?
上に挙がった分しかキャッチはできません。
とするならば、まずは上に挙げられる重さを上げて、そこからキャッチ力を磨けばよいでしょう。

→【走り幅跳びで最も大切なのは助走スピードという揺るぎない事実

クリーンのマックスを上げるためにやるべきクリーンプル

ということでマックスをあげたいあなたが今取り組むべきものは、クリーンからキャッチを除いた種目です。
クリーンには亜種がたくさんあるという話はしましたが、それぞれ名前がついていてクリーンプルというものです。

角度と角速度の変化を、記した表の一番下のクリーンがクリーンプルですね。
実際にはこのような動きになっています。

図解するとこうです。

これであれば、トリプルエクステンションを最大限に発揮して、膝の角度、それから角速度を最大にすることが可能なので、結果的に爆発的パワーを磨くことができます。
もしあなたがクリーンの記録が伸びないと悩んでいるのであれば、是非ともクリーンプルを取り入れてみてください。

→【走り幅跳びで上に高く跳ぶ方法

まとめ

【今日のまとめ】
陸上の記録向上のためにクリーンを行うならキャッチを入れない方が爆発的パワーを磨ける。

あわせて読みたい

→【走り幅跳び選手はクリーンプルだけやればいいのか?

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