運動会で全員リレーがある学校は多いと思いますが、
きちんとクラス全員でバトンパスの練習をしているでしょうか?
今日は優勝が近づくバトンパスのやり方と
練習方法をご紹介します。
本日の質問

内川
こんにちは、
陸上アカデミアの内川です。
今日は全員リレーのバトンパスについての
質問に回答していきます。
あなた
【上手なバトンパスの方法】
運動会でリレーがあります。
私は走るのが大の苦手で
チームの足枷となっている感じです。
どうしたら上手く、
バトンパスや走る事ができるでしょうか?
コースは100mですが、
バトンゾーンを有効に使い、
90mだけ走ります。
今日はこの質問に回答していきます。
まとめると
- 100mリレー
- バトンゾーンを使って90m走る
ですね。
ではここから回答していきます。
結論
【今日の結論】
オープンレーンで効率的なバトンパスは、
後ろを見ながらでいいので
バトンの速度を維持すること
あわせて読む
全員リレーでバトンパス練習することは
優勝を狙う上で効率が良いのか?
まず運動会の全員リレーで優勝するために、
クラス全員でバトンパスの練習をすることは
意味があるのかについて解説していきます。
これは結論からお話すると、
ある程度までは非常に効果があると思います。
リレーの結果は何によって左右される?
ここで一つの大切な質問があります。

内川
【質問】
リレーのタイムは何で決まるでしょうか。
あなた
全員のタイムの合計でしょ!

内川
実は答えはタイムの合計じゃありません。

内川
正解はバトンがゴールテープを切るまでのタイムです。
何が違うの?
と思った方のために解説します。
ゴールタイム=走っている時間+バトンパスの時間
この回答に納得していただくために
2つのクラスの例を出します。
AクラスとBクラスです。
Aクラス、
Bクラスともにアンカーより1人前まで
同時にバトンが渡ってきたとします。
ここからAクラスのラストは
2人とも100mを15秒で走れます。
しかしバトンパスが下手くそなので、
バトンを渡し終えるまでに5秒かかります。
つまりラスト2人目がバトンを受け取ってから
アンカーがゴールするまでは
15秒+5秒+15秒で35秒かかります。

一方のBクラス。
ラスト2人目は100mを17秒、
アンカーは16秒で走ります。
これだけだとAクラスに負けてしまいますが、
バトンパスの練習を熱心にしたので
1秒で渡し終えることができます。
結果的に17秒+1秒+16秒=34秒となります。

つまり走力だと負けているBクラスは、
バトンパスのタイムを縮めることによって
優勝することができたわけです。
リレーはバトンがゴールテープを切るまでの
タイムで勝敗が決まる
この戦略はまさに
陸上競技の日本代表が取っている施策と同じです。

リレーの日本男子チームは
走力では敵いません。
誰も100mの決勝に残ることができないからです。
しかし現在日本は世界で2番目にリレーが速いチームです。
これは徹底的なバトンワークによって
走力部分をカバーしているからです。
アメリカやカナダは個々人の力は日本より高いですが、
バトンワークに日本ほど力を入れていないので
精度が低いです。
なので一人で走っているときは日本より速い速度で
バトンが進みますが、
バトンを受け渡す瞬間はもたつくので
バトンが止まってしまうのです。
つまりバトンワークを磨くことは、
常時バトンの速度を落とさないことに繋がるのですね。
運動会でカーブを上手く走るコツは
頭を地面に対して真っ直ぐにすること
バトンパスの精度は適度に上げることが重要
それはAクラスバトンパス下手すぎるという話
ここまで読んで、
あなた
確かにこの話は納得した。
しかしAクラスがバトンパスに5秒もかかっているのは
さすがに遅すぎる
と思われた方。
とても察しが良いですね。
実は私もこの例を考える時に

内川
さすがにAクラス遅すぎるな…。
と思っていました。
しかし5秒はやりすぎだとしても、
もたもたしていたらオープンレーンのバトンパスで
3秒は十分あり得ます。
一方あと1秒未満で渡すこともできます。
その差2秒。
30人クラスだとしてもあと28回バトンパスがあります。
ということは最高で2秒✕28=
56秒間ロスしてしまうわけですね。
56秒間って、
100m15秒の人が3.8人多く走る計算になります。
これは勝てるわけないですね。
なのである程度までは
バトンパスの精度を上げることが大切だということです。
オープンレーンのバトンパスは限界がある
またある程度と言ったのは
正式な陸上競技のリレーと違って
レーンが決まっていない、
オープンレーンでバトンパスをします。
セパレートでのバトンパス
確実に精度の高いバトンパスができる
オープンでのバトンパス
ごちゃごちゃして安定したバトンパスは不可能
オープンレーンでは
「前の人がここまで来たら走り出す」というような
厳密なバトンパスはできません。
なので全員がある程度の精度でバトン渡せるようになったら、
あとは臨機応変にバトンパスをすることが大切なのです。
実際日本代表も4✕100mリレー
(レーンが決まっているもの)は
洗練されたバトンワークによって
総力で劣っているチームに勝つことができますが、
オープンレーンでバトンパスをする4✕400mリレーでは
一向に決勝に進むことができません。
こちらは純粋な走力勝負だからですね。
オープンレーンのバトンパスには限界があるということです。
優勝するためのバトンワークを暴露
ここまででバトンパスの大切さを
わかっていただいたかと思います。
最後に3パターンに分けて
どのようなバトンパスをすれば良いかということを
ご紹介しますね。
- 同じぐらいの速さでバトンパス
- 早いから遅いへのバトンパス
- 遅いから早いへのバトンパス
これを考える上でも
「必ずバトンを進めること」を目標にしてください。
また
- 右手でもらって左手で渡す
- 途中で右手に持ち替える
- バトンの下を持って走、
相手には上を渡す
のように検索すれば出てくるような
運動会のバトンパスの基本は省略します。
そうではなくて陸上選手だった内川にしかできない
アドバイスをします。
同じぐらいの速さでバトンパス
まずは最もオーソドックスな
同じぐらいの速さでのバトンパスです。
このパターンは単純な速さ比べであれば
ほとんど差が生まれないのでよいのですが、
80mを走ってきた前走者と
スタートしたての次走者ではスピードが異なります。
なので次走者はバトンゾーンに入ったすぐの地点に立ち、
自分の15~10m前に前の走者が来たら走り出し、
スピードに乗った状態で
バトンゾーンの半分より後ろでバトンを受け取りましょう。

理由はちゃんと次走者がスピードに乗った状態で
バトンを受け渡さないと、
バトンの速度は落ちてしまうからです。
大切なのはあくまでもバトンを進めることです。
速い→遅いへのバトンパス
次に速いから遅い人へのバトンパス。
詳しい話は、
リレーを走る順番のページで解説していますが、
原則速い人から遅い人へのバトンパスは
オススメしていません。
理由はバトンの速度が著しく落ちてしまうからです。
しかしやむを得ない事情で
こうしたバトンパスをする可能性もありますね。
その場合の対処法をご紹介します。
まず次の走者のスタート位置はバトンゾーンの真ん中です。
前の走者がバトンゾーンに入る前に次の走者は走り出します。
しかしここで走力差がありすぎる場合に
すぐに前の走者が追いついてしまいます。
落ちてしまっても気にせずに
前の走者は次の走者と並走します。
次の走者が少しスピードに乗った段階で
バトンを渡してあげます。
ここで注意しなければならないのは、
- なるべく前の走者が多く走る
- 次の走者が十分にスピードに乗った状態で
バトンを受け取ることを諦める
です。
速い人から遅い人へのバトンパスは
物理的に少し難しいので、
なんとかこの走順は避けるようにしましょう。

遅いから速いへのバトンパス
最後ですが遅い人から速い人へのバトンパスです。
こちらの方が簡単ですね。
理由は、
遅い人はスタートから最後まで遅いですが
速い人も始めの方は遅いからです。
次の走者の待つ場所はバトンゾーンに入ってすぐのラインです。
そしてリードはほぼつけずに、
軽く小走りをする程度にします。
そしてバトンゾーンに入った瞬間に
前の走者からバトンをもぎり取り、
自分の走りに集中します。
下手に前の遅い走者に合わせて加速するより、
速くもぎ取って自分のペースで加速したほうが
バトンは速く進みます。

全てまとめるとこうなります。
待つ位置 | 走り出すタイミング | バトンを渡す位置 | |
---|---|---|---|
同程度 | バトンゾーン入り口 | バトンゾーン10m前 | バトンゾーン後半 |
速→遅 | バトンゾーン真ん中 | バトンゾーン入り口 | バトンゾーン後半 |
遅→速 | バトンゾーン入り口 | もらう直前 | すぐもらう |
こうした練習を重ねて
全区間でバトンが進む速度が著しく落ちていなければ、
もうバトンパスを練習する必要はありません。
どうせ本番はこの練習通りにいかないからです。
ある程度全員のバトンワークが上達したら
限られた練習時間を他の種目に注ぎ込みましょう。
綱引き必勝法はこれだ!
絶対勝てる作戦で運動会を有利に進めろ!
まとめ
【今日のまとめ】
リレーで大切なのはバトンが進む速度。
バトンを止めないことだけ考えよう!
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