陸上競技をやっているけど
スクワットはやったほうがいいんですか?と悩んでいる方。
仮にスクワットをやっていないor
軽んじているなら、
記録の向上を諦めていると見られてもしょうがないです。
断言しますが記録を伸ばしたいなら
ウエイトトレーニングと正しく向き合いましょう。
本日の質問

こんにちは、陸上アカデミアの内川です。
今日は陸上選手がスクワットをやるべきかという
質問に回答していきます。

【走り幅跳び選手のスクワットについて】
私は、陸上の走り幅跳びをしています。
スクワットについてお聞きしたいんですが
スクワットは走りにどうつながるんでしょうか?
筋トレについては全く無知なため、
是非教えていただきたいです。
よろしくお願いします!!
今日はこの質問に回答していきます。
まとめると
走り幅跳び選手にスクワットが必要な理由を教えてください!
ですね。
ではここから回答していきます。
結論
【今日の結論】
King of Traningのスクワットを行わないという
選択肢はあり得ないので、
正しいフォームで自身の出力を上げろ!
では「なぜ走り幅跳び選手がスクワットを行うべきなのか」という
回答になるかを解説します。
→ 走り幅跳び選手が記録を伸ばすために必要な3つの能力【ジャンプ力・走力・技術力】
スクワットをやらなければならない理由は
最大出力を上げられるから
スクワットがKing of Traning
(キングオブトレーニング)と呼ばれていることは
ご存知でしょうか?
知らなかった方はここで覚えてくださいね。笑
ではなぜキングオブトレーニングと呼ばれているかを説明します。
一言で説明すると「全身を万遍なく使い、
トリプルExを用いた最大重量を挙げる種目だから」です。
スクワットの動作は二足歩行の人間しか行わない
まず、ほとんどの生物は四足歩行をします。
仮に二本足で立ったとしてもそれはあくまで一時的なもので、
恒常的に二本足で生活するのは人間くらいなものです。
理由は人間の身体自体が二足歩行するように
できているからです。
つまりそういう仕様だからというのが正しいです。
地面を踏みしめるようことに特化した足は、
器用に操作することに特化した手とは大きく造形が異なります。
一方その他動物の手足は手と足で
造形が大きく異なることはありません。
理由は4本の手足がそれぞれ同じ役割を果たしているからです。
すなわち移動ですね。
移動するために用いる器官は
自分の全体重を支えなければならないので、
ある程度の筋肉がついていなければならないわけです。
よって動物の手足は全て同じような太さになっているわけです。
(二足で跳んで移動するカンガルーなどは別ですね。)
つまり全身を支えることをしない腕と異なり
足はぶっとくしておかないとならないのです。
スポーツの前提は重心移動なので、
用いる「足」は太くなるし太くするべき
陸上競技をはじめ全てのスポーツは動くことことから始まります。
動くとは重心の移動です。
いくら上半身を動かしたところで重心は動きません。
以上の理由からもスポーツにおいて
重心移動を司る下半身の筋肉を鍛えることは、
パフォーマンス力の向上につながるということが言えますね。
ここまでのまとめ
- 「自分」を支えているのは下半身
- その下半身で最大出力ができる種目が
スクワットなので取り入れないのは言語道断
→ 【走り幅跳びのコツ】記録を伸ばしたいなら、絶対に知っておくべき「重心移動」の概念
スクワットはトリプルExだから強い出力が可能
ここまででスクワットは下半身のトレのうち
最も高い出力が発揮できるということをお伝えしましたが、
それはなぜかわかりますか?
科学的に説明しますね。
まず結論からお話しすると
トリプルエクステンションを用いた種目だからです。
トリプルエクステンションとはなにか?
ではトリプルエクステンションとはなんでしょうか?
読んで字のごとく「3つの伸展」です。
ここでいう3つとは
- 股関節
- 膝関節
- 足首
の3つの関節のことです。
つまりトリプルExとは3つの関節を伸展させる
トレーニングのことです。
こうしたトリプルExの種目は
クリーン、スナッチ、デッドリフト、スクワットなどがあります。
いずれも高出力、爆発的パワーを発揮する種目ですね。
なぜトリプルExで高出力が発揮できるか?
ではなぜ股関節、膝関節、足首の3つの関節を伸展させると、
高出力が発揮できるのでしょうか?
それは次の2つの理由を合わせて考えることで導けます。
- 関節を動かすと隣接している筋肉が伸び縮みする
- 筋肉の出力は断面積に比例する
上記の1,2より、

断面積の大きい臀筋、大腿四頭筋、ハムストリングス、
腓腹筋を収縮させると力が発揮できるので、
これらが付着している股関節、膝関節、足首を動かせばよい。
ということが導けるので、
トリプルExにより最大出力が発揮できることが
証明できました。
トリプルExによって最大出力が発揮できるということは、
アスリートとしての能力の伸びを見るには
トリプルExを用いた種目の伸びを見ればよいことになります。
それが立ち五段跳びだったり、垂直跳びだったりするわけです。
立ち五段跳びの記録を向上させると
アスリートとしての能力も高まります。
→ 【15mはマスト!】立ち五段跳びの記録を向上させるコツと練習方法を完全解説!
完全解説!スクワットの正しいフォーム!
ここまででスクワットの有用性は
お分かりいただけたかと思います。
しかしいざスクワットを行おうとしたときに

正しいフォームがわからない

スクワットは腰を痛めそう

先輩や監督に教えてもらったフォームが
実は間違っていた
こうしたことが往々にして起こります。
なので最後にこれさえ守れば絶対に間違わない
スクワットのフォームをご紹介します。
不自然な動作を高負荷で行うから怪我をする
よくスクワットを教えるときに

スクワットは膝を固定して
お尻(腰)を後ろに突き出せ!
と教えるトレーナーやコーチがいます。
が、それは誤りです。

人間の身体は可動域を超えて負荷をかけると
怪我をします。
例えば私もよくやりましたが、
足首が若干曲がった状態で走り幅跳びの踏切をすると
非常に強い負荷が異常な状態でかかるため捻挫します。
一方同じ負荷がかかっても、
正常に足首を接地して踏切する大部分の跳躍で
捻挫することはありません。
腰を突き出してスクワットを行うのはまさにこの状態です。
膝を固定したまま腰を後ろに突き出すというのは
明らかに無理な体勢ですよね?
この状態で100kg、200kgといった高負荷をかければ、
当然ながらどこかしらの関節に無理がかかります。
その無理が重なると、結果的に痛みや怪我になるわけです。
つまり極めて自然な動きをするうえで
負荷がかかるのは問題ないけれども、
無理な姿勢で負荷をかけると怪我をするということです。
スクワットを一言で表すとうんこ座りだ!
ではスクワットにおける自然な動作とは一体何なのでしょうか?
一言で表すと「和式トイレにしゃがむ動作」です。

え?笑
となりましたか?
ですがこれが肝です。
先ほどの「自然な動き」を正しく認識するために必要なことは
「この種目はどのような動きに負荷を加えたものなのか?」
を理解することです。

では聞きますが、スクワットとは何ですか?

え、スクワットとは…しゃがむ?

正解です。
スクワットとは、しゃがむ動作に負荷を加えたものです。

ということは、「最も自然にしゃがむ動作」を見つけて、
バーベルを担いでその動作を行えばよいわけです。

ではもっとも自然にしゃがむ動作とはなんですか?

…?

何も考えないでその場でしゃがみ込んでみてください

…はい。

それ、まさにトイレにしゃがむ動作ですよね?

…あ!ほんとだ!

つまり、スクワット=自然にしゃがむ=うんこ座りなわけです。
→ スクワットの正しいフォームはうんこ座りだ!【走り幅跳びの記録を伸ばす】
バーの担ぎ方は2種類
では正しいスクワットがわかったところで
バーの担ぎ方をご紹介します。
バーを背中のどこで持つかによって2種類に分類でき、
高いほうをハイバー、低い方をローバーと呼びます。
[ここに左側コンテンツ] [ここに右側コンテンツ] ← この部分は具体的な画像や説明がないため、そのまま残しています。画像などがあればFlexboxで2カラムレイアウトにできます。
ハイバー、ローバーのフォームや狙いの違いに関して
詳しく知りたい方ははこちらの記事をタップしてください。
→ スクワットのハイバーとローバーの違いとは?【走り幅跳び選手はどっちを選ぶべきか?】
しゃがみ込む深さは5種類
続いてしゃがみ込む深さについてです。
これは膝関節の角度によって決まります。
もちろん好きな角度で止めることによって
無限の角度を設定することができますが、
オーソドックスな深さは5種類です。
- クウォーター:膝関節135度
- ハーフ:膝関節90度
- パラレル:大腿が床と並行
- フル:膝0度
- フルボトム:最下部までしゃがみ込む
下に行くにしたがって深くしゃがみこみ、
当然ながら深くしゃがみこんだ方が負荷が高いです。
これも当然ですが、
浅い方がより重いバーベルを扱うことができます。
「それなら深くしゃがみこむのが最もよくない?」
と思う方もいるかと思いますが、
例えば内川自身280kg程度のバーベルを担いで、
膝をほんの少し曲げて刺激に耐えられるようにするなどの方法で
走り幅跳びの試合5日前などに刺激を入れていました。
さらに基本的には高重量で扱いたかったので、
シーズン中はほとんどハーフでスクワットを行っていました。
スクワットのしゃがみ込む深さごとの狙いは
こちらで詳しく解説しています。
→ スクワットは深くしゃがむべきか?【走り幅跳び選手はハーフがオススメ】
まとめ
【今日のまとめ】
スクワットは重心移動に必要な下半身の最大出力を高められるので、
絶対取り組め!
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