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陸上選手がハムストリングスと臀部を鍛えたいならヒップスラストをやれ!

※2023/10/01にサイト改修を行ったためデザイン等崩れている箇所がありますが、順次修正予定です。

スプリント能力を向上させたい場合はスクワットよりもヒップスラストという種目を取り入れたほうが効果があるようです。
今回は立ち幅跳び10m20mダッシュで効果の高かったヒップスラストをご紹介します!


目次

本日の質問

[lnvoicel icon=”https://rikujou-ac.com/wp-content/uploads/2022/02/1619686b60aae99c4d85e70b455c8eca.jpg” name=”内川”]こんにちは、陸上アカデミアの内川です。[/lnvoicel]

今日は臀部とハムストリングスに効くウエイトトレーニングに関する質問に回答していきます。

[lnvoicer icon=”https://rikujou-ac.com/wp-content/uploads/2019/01/c4fc4680e68b3b317ed2c664c8955517.png” name=”悩める相談者”]

高1陸上部です。

左の腸腰筋を痛めてしまってウエイト中です。
ケツ中心にくるようなウエイト、補強を教えて下さい。

スクワットはダメと言われています。
そこそこの設備は学校にあります。
自重系でも大丈夫です。

強度が高いほど嬉しいです。
よろしくお願いします。

[/lnvoicer]今日はこの質問に回答していきます。

まとめると

  • 高1陸上部
  • 腸腰筋を痛めて補強組
  • 臀部を鍛えられるウエイトトレーニング

[/aside]

ですね。

ではここから回答していきます。

結論

【今日の結論】
スクワットよりスプリント能力を上げるヒップスラストを行わないのは記録向上を諦めているとしか思えない。[/aside]

ではなぜ「ヒップスラストを行うべき」という回答になるかを解説します。

[kanren url=”https://rikujou-ac.com/longjump-032/”]

ヒップスラストは効果的に臀部、ハムストリングスを鍛えられる!

まず今回は競技力向上のためにヒップスラストという種目をご紹介します。
しかしほとんどの方はヒップスラストを知らないかと思いますので、まずはヒップスラストの紹介をします。

ヒップスラストとはこれだ

ヒップスラストとはこれです。

概要としてはベンチや台に肩甲骨まで乗せ、バーを股関節の上に乗せ上下します。

鍛えられるのは臀部とハムストリングス

この動作をバーなしでやってもわかりますが、結構臀部とハムストが収縮します。
特に最上部までバーを挙げ切った時にかなり収縮するので、[keikou]スクワットよりも効果的に臀部とハムストを鍛える[/keikou]ことができます

ヒップスラストはスクワットよりスプリント能力が向上する

先ほど「ヒップスラストは臀部とハムストリングスに効く」ということを説明しましたが、この説明を見てこう思った方もいるんじゃないでしょうか?

[/lnvoicel] [lnvoicer icon=”https://rikujou-ac.com/wp-content/uploads/2018/12/1022298-e1546411547218.png” name=”あなた”]どっちも臀部とハムストの種目ならスクワットでいいんじゃね?[/lnvoicer]

そんなめんどくさがりなあなたのためにすでに研究がなされています。

ヒップスラストとスクワットのスプリント能力向上効果の研究

この実験はこちらの論文を参考にしています。

実験概要

被験者はスクワット、ヒップスラストを各々3RM(repetation maxmum)で6週間のプログラムを行い、垂直跳び、立ち幅跳び、10mダッシュ、20mダッシュのタイムをプログラム前後で測定し、トレーニングが身体能力に与える影響を計測しました。

実験結果

結果はこうなりました。

スクワット ヒップスラスト
+6.81% 垂直跳び +3.30%
+1.69 立ち幅跳び +2.33%
+0.10% 10mダッシュ -1.06%
-0.61% 20mダッシュ -1.70%

[keikou]垂直跳び以外はヒップスラストによるパフォーマンス向上率が高い[/keikou]ということになりました。
最も着目すべき点は[keikou]水平方向への力の発揮は全てヒップスラストのほうが優位に上昇している[/keikou]ということです。

スプリンターもジャンパーも前提は水平移動です。
100m走はモロ水平移動ですし、走り幅跳びの飛距離の上限は助走スピードに依存します。
なのでいずれにせよスプリント能力を向上させなくてはならないす。
その時にスクワットよりもヒップスラストのほうがよりパフォーマンス向上に直結するということです。

また今回唯一スクワットのほうが記録が向上した垂直跳びですが、これは考えると自明ですね?
[keikou]垂直跳びでしゃがみこみ、飛び上がる動作はそのままスクワットの動作[/keikou]です。
負荷をかけて動作を行っていれば、その能力が向上するのは当然です。

[topic color=”orange” title=”ここまでのまとめ”]スプリンター、ジャンパーのスプリント能力向上に直結するのはスクワットよりヒップスラスト

[/topic]

[kanren url=”https://rikujou-ac.com/longjump-006/”]

ヒップスラストのやり方完全解説

ではこれほど魅力的なヒップスラストの取り組み方をご紹介します

用意するもの

用意するものとしては

  • オリンピックシャフト
  • プレート
  • ベンチor台

です。

冒頭で紹介したように最終的にバーベルを拳上する位置は上半身のある高さまでなのである程度の高さがある台を用意しましょう。
(ほとんどの場合はベンチプレスのベンチで問題ないと思います。

ポイント

ヒップスラストのポイントは3点

  1. 上は上限まで上げ、下は地面につけないぎりぎりを攻めること
  2. 素早く挙げ、ゆっくり下げること
  3. 下で止まらないで、すぐに切り替える

この3点が大切です。

それぞれ解説すると
1.上は上限まで、下は地面ぎりぎりは最大収縮で動かすことが大切です。
理由は[keikou]筋肉は最大限縮めて最大限伸ばすことによって、最高率で鍛えることができるから[/keikou]です

2.素早く挙げ、ゆっくり下げるというのは、[keikou]挙げる時は筋肉が収縮しているのでなるべく素早く、下ろす時は筋肉が伸びているのでなるべくゆっくり行う[/keikou]と、より筋肉に負荷がかかります。

3.下で止まらないというのは、[keikou]常時力を入れ続けることによって筋肉に刺激が入り続ける[/keikou]ので、これも効率的に筋肉をつけることができます。

挙上重量の目安

例えば [lnvoicer icon=”https://rikujou-ac.com/wp-content/uploads/2018/12/1237006.png” name=”あなた”]ベンチは100kg挙がればすごい![/lnvoicer]という共通認識はあると思います。

では全く初見のヒップスラストはどれほど挙げればいいのでしょうか?
この指標がないと、[keikou]本来は100kgでやらなければいけないところを60kgでぬるっと終わってしまうこと[/keikou]もあります。
それでは今の筋肉の上限を超えてないので、全く筋肉はつかないです。

ということで参考までに内川が行っている重量をご紹介します。
私は[keikou]現役引退した今でもスラストなら240kg程度で12reps×3、4セット[/keikou]こなしています。
なので、陸上のスプリントで全国狙いたいという方はこれ以上挙げないと話にならないですね。

あくまで目安ですし少しずつ高めていけばよいので、現状を把握し少しずつ拳上重量を上げていってくださいね!

[kanren url=”https://rikujou-ac.com/longjump-010/”]

まとめ

【今日のまとめ】
スプリンター、ジャンパーはスクワットだけではなくヒップスラストも行いスプリント能力を高めよ![/aside]

PS.

ちなみに今回参考にした論文はこちらです。
アブストを載せたので興味のある方は読んでみてください。

[su_accordion][su_spoiler title=”タップして読む” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=”” class=””]

Contreras, B, Vigotsky, AD, Schoenfeld, BJ, Beardsley, C, McMaster, DT, Reyneke, JHT, and Cronin, JB. Effects of a six-week hip thrust vs. front squat resistance training program on performance in adolescent males: A randomized controlled trial. J Strength Cond Res 31(4): 999-1008, 2017-The barbell hip thrust may be an effective exercise for increasing horizontal force production and may thereby enhance performance in athletic movements requiring a horizontal force vector, such as horizontal jumping and sprint running. The ergogenic ability of the squat is well known. The purpose of this study was to compare the effects of 6-week front squat and hip thrust programs in adolescent male athletes. Vertical jump height, horizontal jump distance, 10- and 20-m sprint times, and isometric midthigh pull peak force were among the measured performance variables, in addition to front squat and hip thrust 3 repetition maximum (3RM) strength. Magnitude-based effect sizes revealed potentially beneficial effects for the front squat in both front squat 3RM strength and vertical jump height when compared with the hip thrust. No clear benefit for one intervention was observed for horizontal jump performance. Potentially beneficial effects were observed for the hip thrust compared with the front squat in 10- and 20-m sprint times. The hip thrust was likely superior for improving normalized isometric midthigh pull strength and very likely superior for improving hip thrust 3RM and isometric midthigh pull strength. These results support the force vector theory.[/su_spoiler][/su_accordion]

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