陸上クラブに通っていると陸アカ式のレッスンがなかなか難しいという話
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陸上クラブに通っていると陸アカ式のレッスンがなかなか難しいという話
こんにちは、陸上アカデミアの内川です。
陸アカ式の練習について思うことがあるので1つ記事にします。
これまでの傾向から、
- 陸上クラブに通っている
- 今のクラブで指導がない
- 今よりもっと速くなりたい
という子が体験レッスンをすると、結構な確率で泣きます。
僕も泣かせるつもりでレッスンをしているつもりはない+陸上をやっていない子だとその確率が下がるのでなんでだろうと思っていたのですが、今日その理由がわかったので解説します。
なぜ泣くか
そもそもなぜ泣くかということなのですが、どんなシチュエーションになるかを解説します。
まず陸アカのスタンスとして、
- 徹底的な解説なしの練習では上達しない(意味もわからず動きを真似するだけになるから)
- 言葉にできないことは理解していない(次のレッスンで忘れているので再度同じことのやり直しになる)
- 主観と客観が一致していないと技術的向上はできない(思うように身体が動かないので)
があります。なので、
- 行うこととその意味を徹底的に解説し
- 何に気をつけるか、なんでそこに気をつけるのかを子供に自分の言葉で説明してもらい
- 撮影した動画を見て「やろうと思った動きとやった動きは一致しているか」「実際にやった動きは2.で気をつけると言ったことだったか」をセルフチェックする
という工程を何周も繰り返します。
この2.でだいたい躓いて、何を話したらよいのかわからなくなり、次第に泣き始めます。
では一体何が起きているのでしょうか?
陸上クラブに通っている子と通っていない子の体験レッスン再現
まず特に陸上クラブに通っていない子のレッスン例をご紹介します。
陸上クラブに通っていない子
陸上クラブ等に通わないで陸アカの体験レッスンに来た子は先入観がないので
内川
子供
と言われた通りシンプルに考えて言われたことをそのまま行います。
なので引き続き、
内川
子供
子供
そうだね、できてる!やろうと思ったことがしっかりできていてよい!じゃあ次はさっき放っておいた脚の着き方もチャレンジしてみよう!
内川
子供
というように非常にスムーズに最初からレッスンを行うことができます。
陸上クラブに通っている子
一方これまで習慣的に
コーチ
という日常で練習をしてきた子は「なぜこの練習を行うか」「何に気をつけるか」など考えたこともないので、え、なに?気をつけること?いつも言われたことをただやっているだけだからわかんない…え、なんだろう?動画見比べて…違うところ…わかんない…あれ、そもそも何聞かれてたんだっけ…わかんない…もうやだ…
子供
となるわけです。
で、このループにハマるともう自力で出てくることは困難なので、考えさせてる途中でそうなってしまったら
今は何に困ってる?
1.考え中
2.質問を忘れた
3.質問が難しすぎる
4.答えたくない
どれだろう?
内川
という様に聞きます。
するとたいてい1か2という答えが返ってきます。
1の場合も安心してはダメで怪しい場合は念のため
考え中ね、OK、念のためなんて質問したか覚えてる?
内川
と聞きます。
すると半分くらいの確率で
子供
となるので、その場合はうん、わかる、ずっと考えていると質問が飛ぶことよくあるから大丈夫。質問は今何を気をつけてやるんだっけ?
内川
子供
と思考がリスタートします。
これで考えられる子もいますが、こうしたやり取りを何度も繰り返していると次第に辛くなってきて、涙が出てくるということです。
前提として子供は悪くない
これはしっかり言っておきたいのですが、子供本人は全く悪くないです。
子供はいつもやっていることをそのままやったらそれではOK がもらえない状態ということです。
いつも通りを否定された気になる
これはいうなれば普段我流で料理を作っていたのに、もっと美味しい料理を作りたいと思って料理教室に通ったら包丁の握り方から皿の洗い方まで徹底的にダメだしされて料理が楽しくなかった。というようなイメージです。
仕事でいうと、売上を上げるためにコンサルを入れたらやり方に口出しされて仕事が楽しくなくなったという例えも近いかもしれません。
どちらも普段どおりにやっていたら、上手くいくための王道メソットから外れていて、正しいやり方に矯正されてやる気をなくしている状態。です。
この状態は誰だろうと嫌になると思います(僕も多いになる)。
最初からこのやり方なら違和感を覚えない
ただ、どの例(子供、料理、仕事)も、初めからそのやり方だったら何も感じなかったと思います。
「あぁ、こういうものなのね」といって慣れますよね?
それと同じで、かけっこ教室や陸上クラブは陸アカが初めての子は、先程の例のように
子供
とあっけらかんとしています。
一方一通り従来のやり方で練習してしまっている子は「同じ陸上の練習」なのに心身への負荷が通常の倍以上かかるため、頭と心が先にすり減ってしまい、途中でフリーズしてしまうのです。
それを見て
内川
とは5%だけ思うのですが、残りの95%はでもこれやらないと、今求めてる「速く走る」は達成できなくて、結局いつもの練習をするだけで終わっちゃうからしょうがないよな~
内川
と思っています。
そう。
本人も、それを見ているご両親も辛いと思うのですが、本人が求めている結果が「走りを速くする」なので仕方ないんです。
今までのチームと同じやり方をしていたのでは同じ結果しか出ないので、結果を変えたいのであればやり方を変えるしかありません。
やり方を変えるにはストレスが伴うのは仕方のないことと割り切って、少し辛くてもやるしかないわけです。
そもそもどこが悪いのか?
この問題はどこが悪いのかというと、結局「指導しない陸上教室」ということになるのですが、これに関しては既に過去記事でお話しているので避けます。
今日の体験レッスンでもそうだったのですが、基本的に陸上クラブは
流れで同じことをやらせる→そのなかでセンスある子が勝手に伸びる(※伸びたのはクラブのおかげではない)→その子達は大会に出る
のシステムです。
僕としては大会に出すのであれば、育成チームを別で作るべきだと思います。
しっかり走るクラスと、走り方を変えるために指導をするクラス。
もちろん指導者の難易度は後者の方が高いです。
ただこれができないとすると、それはただ走らせているだけの教室ということを自分で告知しているようなものなので、実際にはできないというクラブが非常に多そうではありますが。
まとめ
陸上クラブに通っていて陸アカを検討されている方は、親子揃って少し歯痒い思いをするかもしれませんが、慣れたら恐ろしく上達します!