小学生に大人気の靴「瞬足」を運動会にむけて買うのはやめたほうがいい理由
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小学生に大人気の靴「瞬足」を運動会にむけて買うのはやめたほうがいい理由
運動会シーズンになると「カーブを速く走れる靴」として「瞬足」を欲しがる子供は多いです。
「瞬足」を買って上げる前に、「日常生活で履けない」というデメリットはきちんと理解していますか?
きちんと買い与えるものを理解してから購入しましょう。
小学校の運動会シーズンになると少しでも速く走らせたい親と、この期に売上を上げたいシューズの販売会社の思惑によってショッピングモールやデパート、それからテレビCMで運動靴の露出が増えます。
少子化といえど6年毎にターゲット層がまるまる入れ替わる小学生用シューズはスポーツメーカーにとってドル箱だと思いますが、そのまま小学生用シューズを買い与えてよいのでしょうか?
今日はその悩みに回答します。
本日の質問
内川
今日は小学生の運動靴に関する質問に回答していきます。
6歳の息子がいますが、おととしより、運動会前になると「瞬足」という
靴を買ってとせがまれます。
聞くところによると早く走れるとか?!
値段が3000円近くしますが、少しでも早く走りたい息子の為に買って
やるべきでしょうか?
普段は1000円以内の靴をはいてます。
悩める相談者
今日はこの質問に回答していきます。
まとめると
- 小学1年生の息子がいる親
- 運動会前に瞬足をせがまれる
- 普段は1000円以内の靴を履いている
ですね。
ではここから回答していきます。
結論
【今日の結論】
左右非対称ソールは日常使い前提で作られていない。
普段から履かせるなら他のシューズが吉!
瞬足のコンセプトはあくまでも「カーブを速く走ること」だ!
「瞬足」とはアキレス株式会社から発売されている、元祖「小学生が速く走るための靴」です。
今年で15周年を迎えたようですね。
「コーナーで差をつけろ!!」
元々のコンセプトは「カーブを速く走れる靴」です。
公式サイトより引用すると
開発のテーマとして掲げられたこのフレーズには、左回りのトラック競技で転倒することの多い子どもたちを「転ばずに最後まで力いっぱい走らせてあげたい」という、開発・営業担当の思いがありました。
(中略)
左回りに特化した「左右非対称ソール」というアイデアが生まれました。
当時、ソールの意匠は常識的には左右対称でしたが、その常識をくつがえし、「右足の内側」と「左足の外側」に左右非対称のスパイクを配置したのです。
学校のグラウンドは200mトラックであることが非常に多いので、陸上競技場のトラックと比べてカーブが急です。
さらに砂利のトラックなので非常に滑りやすいです。
また、小学生は走り方も安定していないためにカーブを走るのが遅くなってしまったり、それから転んでしまったりすることがあります。
年に一度の運動会。
この晴れ舞台でこうした悲劇を起こさないために開発されたのが瞬足のようです。
代名詞の左右非対称ソール
それを可能にする瞬足の代名詞といえばこれ、

左右非対称ソールです。
左回りカーブでグリップ力を発揮するためのスパイク等が設置された左右非対称のソールになっています。
研究を重ねた上での商品化なので、左回りのカーブの走りやすさに関しては折り紙付きだと思います。
ということで走りづらい小学校のカーブを走りやすくするために瞬足の人気も頷けます。
いびつなソールは健康を害する
では子供が日常で歩いたり、運動したりする中で左のカーブを走る確率はどのくらいでしょうか。
陸上部でもない限り皆無ではないでしょうか?
登下校で歩いているときは関係がないですし、休み時間や放課後に友達とドッジボールやサッカーをする時も、きれいに左のカーブを走ることはほとんどないですよね?
つまり瞬足が活躍するのは本当にピンポイントで運動会のカーブを走るときのみです。
ではこうしたピンポイントでカーブを速く走るための瞬足を、カーブを走らない時に履いていても良いのでしょうか?
ソールは健康状態に強く影響する
ところで話は変わりますが、あなたの普段履いている靴のソールは均等にすり減っていますか?
もしかかとや外側だけすり減っているようならそれは体が疲れている証拠です。
このように体の疲労具合や健康状態というのは靴に顕著に出ます。
例えば疲れているときは足を引きずるような歩き方となって、かかとが削れてしまいます。
他にも外側だけ削れてしまうと靴が斜めってしまうので、膝や股関節に痛みが出てしまうかもしれません。
大人が普段履いている靴で走っているところはあまり想像ができないので、こうした「良くないソールの削れ」というのは大きな衝撃がない、歩いている時に起こります。
そしてそのソールを履いて歩くと身体に不調が生じるということは、そもそも正しいソールを履いて日常生活を送らないと、疲労や不調を引き起こすかもしれないということです。
左右非対称ソールは身体に影響はないのか?
こうした視点で考えてみた時に瞬足の左右非対称のソールを日常生活で使うことは、子供の発育上あまりよくないのではないか?と思うわけです。
その証拠に長距離を走ることを前提に作られた瞬足「マラソン」は左右対称ソールを採用しています。

つまりアキレス側も日常生活で使い倒すことを前提に瞬足を作っているわけではないということです。
小学生の長距離走で校庭以外の外周を走ることはあまり考えられないので、この「マラソン」もトラックを何周もすること前提で作られています。
にもかかわらず左右非対称ソールを採用していないということは、左右非対称ソールで長時間運動を続けるのはあまり得策ではないと言えます。
選ぶべきは有名スポーツメーカーのジュニアサイズの靴
ではどんな靴を選べば良いのでしょうか。
スポーツショップで大手メーカー製を買おう!
これはもう簡単で、有名スポーツメーカーの出している陸上シューズのジュニアサイズを買いましょう。
例えばこういったメーカーのものです。
- アシックス
- ミズノ
- ナイキ
- アディダス
- ニューバランス
一般的な靴屋では品揃えが悪いこともありますので、スポーツオーソリティやゼビオなどのスポーツショップ。
もしあるようならB&DやStePといった陸上専門店で見繕ってもらうと良いでしょう。
詳しくはこちら
またアシックスは小学生が普段履くことを想定して、専用レーベルの「レーザービーム」を作っているのでそちらもオススメです。
どうしても瞬足を履きたい場合は期間を限定して履こう!
とはいえ小学生の頃は「みんなが持っているから」という理由で瞬足を履きたいということもあるかもしれません。
そういう場合はどうすれば良いのでしょうか?
私なら期間限定で履かせます。
例えば靴に慣らせるために運動会の一か月前から履かせ、運動会が終了したら履かせることはしません。
理由は足に悪いからです。
さらに運動会前にきちんとカーブを上手く走れるように自主練習もさせます。
ここまで約束できないのであれば、素直に大手のランニングシューズを履かせます。
そうまでして「瞬足が履きたいんだ!」ということであれば履かせると思います。
ただその後人生のことを考えると、瞬足でカーブをうまく走れるよりもきちんとしたフォームだからカーブを速く走れるという方が有利だと思いますので、あくまで子どもが強く希望した場合に限らせます。
オススメはしないですし、私の子供にもそういうことはさせないと思います。
小学生時代に足を速くすることは極めて重要ですが、それが成長に悪影響を与える要因であれば、親がきちんと踏みとどまる努力をするべきです。
まとめ
【今日のまとめ】
瞬足ではなくてジュニア用のランニングシューズを買い与えよう!