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小学生が筋トレを無理せず効率よくするならエキセントリック収縮がおすすめ

※2023/10/01にサイト改修を行ったためデザイン等崩れている箇所がありますが、順次修正予定です。

小学生が筋トレをしてよいのか?という質問には
Yes!」と一言答えてあとは理由を解説するが、
その後に続く質問は十中八九
ではどんなトレーニング良いですか?」というものだ。

ほとんどのかけっこ教室のコーチは陸上素人か、
経験者でも長距離(マラソンや駅伝)出身なので
筋肉をつけることに対して無知な人が多い。

ここでは実際に実業団陸上選手に
ウエイトトレーニングも教えていた代表が、
かけっこ教室で導入して成果を出している筋トレについて、
その原理と種目を解説していこう。

本日の質問

内川
内川

こんにちは、陸上アカデミアの内川です。
今日は「小学生が筋トレするなら
どんな種目がいいですか?

ということについてお話していきたいと思います。

あなた
あなた

陸上競技をしている小学生の子供について相談です。
通っているクラブで「タイムを上げるために
筋トレをしたいので、よい種目教えてください

ということをコーチへ伝えたみたいなのですが、
筋トレなんて背が伸びなくなるからやめておけ」と
一蹴されたようです。
息子が自分で言いだしたことなので応援したいのですが、
ネットでは背が伸びないという話しか出てきません。
小学生が筋トレをするなら
どんなことをやればよいでしょうか?

今日はこの質問に回答していきます。

まとめると

  • 地元のクラブは筋トレ反対派
  • 小学生のうちにするべき筋トレ

ですね。 ではここから回答していきます。

結論

【結論】
自重メインでその効率を最大限高めるために
エキセントリック収縮を意識して行え!

レッスンでも筋トレをすることはあるのですが、
その際に気をつけていることがあります。
小学生が筋トレしていいのかについては
長くなるので別の記事で話します。

関連:小学生の筋トレ可否についての記事はこちら(method-30)

それは「できる限りエキセントリックな動きを心がける」こと。
筋トレとは読んで字の如く筋肉トレーニングなので、
まずは筋肉について知なくてはいけません。

目次

筋肉の構造と動き

筋肉は筋繊維でできており、
筋繊維は筋原線維というものでできています。
筋原線維はアクチンミオシンという
ファイバーで構成されており、
それぞれがずれることにより筋繊維が収縮することにより
筋肉が力を発揮します。

筋肉は筋繊維で構成され、筋繊維は筋原線維で構成される
筋肉の構造:参照https://sprint-condition.info/category38/entry393.html

この図は作るのが大変なので拝借しました。

そしてその力の発揮の仕方は

  1. 収縮しながら力を発揮(コンセントリック
  2. 長さを維持しながら力を発揮(アイソメトリック
  3. 伸びながら力を発揮(エキセントリック

の3種類です。

とは言ってもなかなか分かりづらいと思いますので、
実際に動かしている例を撮影したので載せておきます。

肘を曲げてダンベルを持ち上げると
上腕二頭筋(力こぶ)は盛り上がります。
盛り上がるということは、
今までよりも長さが短くなっている(収縮している)ということです。
これは収縮しながら力を発揮しています。

一方、逆にダンベルを下げるときにも
実は力を発揮しています。
それはもし力が入っていなければ、
ダンベルはいきなりドーンと下に落ちてしまうはずです。
つまり下ろすときは筋肉が伸びながら力を発揮している
ということになります。

そして最後、ダンベルを持ち上げている途中で止めた場合。
これはダンベルの位置が変わっていないので
筋肉は力を発揮していますが、
肝心の長さは変わっていないです。
つまりこれは長さを維持しながら力を発揮している
ということです。

筋肉の力の発揮の仕方は3種類あるという話を
ここまでしてきましたが、
この3種類で最も効率的に筋肉を鍛えられるのはどれでしょう?

答えは3の伸びながら力を発揮(エキセントリック)です。
理由は筋肉は自力では縮むことしかできないからです。

筋肉の力の発揮の仕方

これはどういうことかというと、
仮に僕の上腕二頭筋が100本の筋繊維で
構成されているとします。
そして筋繊維は自力では縮むことしかできません。
つまり弛緩→収縮しか動けないということです。

筋肉は縮むしかできない

ではどのようにして縮まった筋肉が伸びているのかというと、
反対側の筋肉(拮抗筋)が縮むことによって
逆側の筋肉が伸びている
わけです。
先程のダンベルトレ(アームカール)でいうと、
メインで見ていたのは上腕二頭筋(主働筋)です。
上腕二頭筋(ピンク)の拮抗筋は
反対側についている上腕三頭筋(水色)です。

上腕二頭筋の拮抗筋は上腕三頭筋
上腕二頭筋の拮抗筋は上腕三頭筋

ピンクが縮めば水色は伸び
逆に水色が縮めはピンクは伸びます
つまり対象の筋肉が縮むことしかできなくても、
反対の筋肉を使えば問題なく伸びることはできるということです。

ちなみにウィキによると拮抗筋一覧はこうなっているようです。

拮抗筋一覧(タップして見る)

ちなみに運動に関して馴染みの深い筋肉群の
拮抗筋でいうと、

  • 大腿四頭筋(ふともも)
    ⇔大腿二頭筋長頭(ハムストリングス)
  • 大胸筋(胸の筋肉)
    ⇔広背筋(背中の筋肉)
  • 腓腹筋(ふくらはぎ)
    ⇔前脛骨筋(スネ前の筋肉)

などがあります。

筋肉にはオンとオフしかない

ここまでで筋肉は縮むしかできないという話を
してきましたが、それは筋肉全体の話です。
もう少しミクロな視点で見てみましょう。
筋繊維単位の話です。

筋繊維の力の発揮はオンとオフしかありません
どういうことかというと、
力を入れる or 力を抜くしかないということです。
例えば筋繊維が100本あったとして、
1本あたり1の力を発揮できるとします。
この100本それぞれにオン/オフのスイッチがあるので、
力は1~100まで1刻みで出すことができます。

例えば50のものを持ち上げたかったら
51本筋繊維を動員すればものは上がります。
逆に49本以下だと重りは下がっていきます。
そして丁度50本だと重りは移動せずその場で静止します。

つまり上からコンセントリック、エキセントリック、
アイソメトリックな動きになっているということです。

分かりづらいので表にまとめますね?

動員本数 収縮の種類
51本以上 コンセントリック(縮みながら発揮)
50本 アイソメトリック(同じ長さで発揮)
49本以下 エキセントリック(伸びながら発揮)

ここで注意しなくてはならないのは、
重りが明確に上がっているコンセントリック以外でも
筋繊維は動員されている
ということです。
重りが動いていなくても重力に逆らって
その場に重りを留めるために筋力を発揮しているので、
アイソメトリックでも筋肉は使ってる
トレーニングになっているということです。

一例を上げると、例えば腹筋の筋トレのプランク。
これは腹筋(腹直筋)の長さが変わらずに
力を発揮しているので
アイソメトリック収縮を利用したトレーニングです。

腹筋は長さを変えずに力を発揮しているので、プランクはアイソメトリック収縮を利用したトレーニング
プランクはアイソメトリック収縮を利用したトレーニング

ここからがこの記事の本番なのですが、
同じ重さを扱うにしても各種収縮で
与えられる負荷が異なります

先程の例をそのまま用いましょう。
50の重さのダンベルと100本の筋繊維の話です。

100本全て動員してコンセントリック収縮をすると、
ダンベルは上に上がります。
そしてそのとき筋繊維1本あたりに与えられる負荷は
50/100=0.5となり、1本あたり0.5です。
では50本のアイソメトリックのときは?
これは50/50=1となり1です。
最後にエキセントリックは?
話をわかりやすくするために25本の筋繊維を動員するとすると、
50/25=2で2です。

まとめると

状況 筋繊維1本あたりの負荷
100本でコンセントリック 0.5
50本でアイソメトリック 1
25本でエキセントリック 2

つまり、同じ重さを扱うのであれば
エキセントリックが最も効率よく
筋肉に負荷を与えられる
というわけです。
これが僕が小学生のトレーニングで
エキセントリック(トレーニング的に言うとネガティブ)を
意識させる理由です。

ではエキセントリック収縮を用いたトレーニングだけ
やってればいいのかというと、それもまた違います。

エキセントリックだけでは足りない2つの理由

エキセントリックだけでは足りない理由を2つ紹介していきます。

最大筋力を上げるのに不向き

このエキセントリックなトレーニングというのは、
基本的に筋肉が伸ばされているところで
更に力を入れて耐えようという内容なので、
自分から積極的に収縮させて
力を発揮するような内容にはなっていません。

なので「筋肉をつける」のではなく、
筋力を上げたい」という場合には
トレーニングとして不適切です
(そもそもの筋肉量が足りない場合は
こうしたエキセントリック収縮を用いて
プログラムを組む場合もあります)。

なので高校生以上でがっつり筋力を上げたい場合には
エキセントリックだけをやっていればいい
というわけではないです。

運動能力の向上幅が低い

続いて運動能力の向上幅が低いということですが、
このブログを読んでいる方の最終目標は
「自分」もしくは「子供」の
運動パフォーマンス向上だと思います。
そしてそのために筋トレを使おうとしていると思うので、
なるべく実践に近い形のトレーニングを行うべきです。
としたら、エキセントリックな動きをする局面
(外部からの刺激によって筋肉が伸ばされながら力を発揮する)より、
明らかに自分から筋肉を収縮させて
力を発揮するほうが確率は高い
です。
また、筋肉はその収縮速度も運動パフォーマンスを
向上させるためにも必要となり、
その観点からもコンセントリックなトレーニングは
必要ということです。

ボディービルダーやフィジーカーのように
単純に筋肉をつければよいという競技であれば
その収縮スピードは全く関係ないので、
エキセントリックだけでもよいですが、
アスリートであれば収縮スピードも観点に入れて
トレーニングプログラムを組んでいきたいです。

小学生にエキセントリックトレーニングを勧める理由

以上のことを総括すると、

  1. 陸アカのレッスンではほとんど
    自重でのトレーニングがメイン
  2. 小学生はそもそもが
    筋肉量自体が少ない

以上のことから、筋トレを行うのであれば
最も効率よく筋肉に負荷がかかる
エキセントリック収縮を用いたトレーニングを採用しています。

具体的なエキセントリックトレーニングとしては、

  • 足上げ腹筋
  • 潰れる形の腕立て
  • ジャンプスクワット

等があります。
(レッスン以外でいうと
腹筋ローラーもエキセントリックです。)

また、懸垂でいうと鉄棒の上まで持ち上げて
そこでサポートが手を離して
自分でゆっくり降りてくるというトレーニングも
エキセントリックで有効です。
これは懸垂ができない子に行っても有効で、
実際にうちの妻は懸垂できなかったのですが、
これを教えて自分でジャンプしてやっていたら
そのうち懸垂できるようになっていました。

なので自宅で筋トレを行うのであれば
エキセントリック収縮を意識して行ってみてください
(「エキセントリック 筋トレ」でググれば
種目はたくさん出てくると思います)。

まとめ

【まとめ】
小学生は自重でエキセントリックメインに筋トレを行い、
絶対的に不足している筋肉量をまずは稼げ!

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