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ももあげをさせているかけっこ・陸上教室はセンスない。ももあげをしても足は速くなりませんよ?

速く走るためのトレーニングといえばあなたは何を思い浮かべるだろうか?
腕振り?走り込み?坂ダッシュ?今回はその中でも特に名前の挙がる、「ももあげ」が実は速く走るためのトレーニングとして間違っているという話。

目次

本日の質問

[lnvoicel icon=”https://rikujou-ac.com/wp-content/uploads/2020/10/IMG_20201022_094603-scaled.jpg” name=”内川”]

こんにちは、陸上アカデミアの内川です。

今日は「ももあげをしても足は速くならない」ということについてお話していきたいと思います。

[/lnvoicel]

[lnvoicer icon=”https://rikujou-ac.com/wp-content/uploads/2019/01/c4fc4680e68b3b317ed2c664c8955517.png” name=”悩める相談者”]陸上を大学からはじめました。
最近中間疾走を強くするためにももあげを500回毎日素早くやるようにしました。
膝を上ではなく前に出すイメージで、腕振りも加えてしています。

しかし先日「ももあげをしても筋持久はつかないし、走りにもつながらない」と聞きました。

これは本当なんでしょうか?
自分的には500回も中間疾走の動きをしているのでかなり走りに慣れてきてよいと感じているので、疑問です。[/lnvoicer]

今日はこの質問に回答していきます。

まとめると

[aside type=”sky”]

  • 大学生
  • 毎日500回ももあげをしている
  • 自分的には良いと感じている
  • ももあげは走りにつながらないと聞いた

[/aside]

ですね。 ではここから回答していきます。

結論

ももを高く上げているだけでは速く走れない。しっかり切り返すことが大切。

陸上アカデミアでは「ももあげ」を行わない

この記事を書いた背景

実はこの記事を書いている2日前にレッスンを行っていたのですが、その近くで他社がパーソナルレッスン(恐らく小5~小6年生)を行っていました。
そこでももあげを行っていたのですが、コーチが見せていた手本がひどかったのでこの質問に優先的に回答したという背景があります。

そのコーチはどんなももあげを行っていたかというと、こんなももあげです。

もちろん腕は振っていましたが、下半身の動きはまさにこうした動きでした。

子供がこの動きをしていたら修正する

もしレッスンで子供がこの動きをしていたら、陸上アカデミアではしっかり修正します。
理由は「ももを高く上げる動きに速く走れる要素がないから」です。

この「速く走れる要素がない」という点に関しては後ほど説明しますが、この様な理由から陸アカではももあげは練習として行いません。

ももあげは完全にネーミングをミスっている練習

あなたはももあげと聞いてどんな動きを思い浮かべるでしょうか?
間違いなく先程の動きですよね?

ではここで質問です。
これは実際に体験レッスンで必ずしている質問なのですが、99%初見ではストレートで回答できない問題です。
一緒に参加されているお父さん、お母さんもわからないです。

速い選手はももが上がっている

[lnvoicel icon=”https://rikujou-ac.com/wp-content/uploads/2020/10/IMG_20201022_094603-scaled.jpg” name=”内川”]足の速い人は
①ももが高く上がっている
②ももが高く上がっていない
どっちだろう?[/lnvoicel]

[lnvoicer icon=”https://rikujou-ac.com/wp-content/uploads/2018/10/165592-e1546525307485.png” name=”子供”]①![/lnvoicer]

[lnvoicel icon=”https://rikujou-ac.com/wp-content/uploads/2020/10/IMG_20201022_094603-scaled.jpg” name=”内川”]そうだね、上がってそうだね![/lnvoicel]

ももの高さは原因なのか?結果なのか?

[lnvoicel icon=”https://rikujou-ac.com/wp-content/uploads/2020/10/IMG_20201022_094603-scaled.jpg” name=”内川”]じゃあ次の質問。その人は
①「足を高く上げよう」として、足が上がっている
②「何か」をした結果、足が高く上がっている
どっちだろう?[/lnvoicel]

これは半分くらいの子供が①と答え、半分くらいの子供が②と答えます。

[lnvoicer icon=”https://rikujou-ac.com/wp-content/uploads/2018/10/165592-e1546525307485.png” name=”子供”]①![/lnvoicer]

もし①と回答したらこの様に問いかけます。

[lnvoicel icon=”https://rikujou-ac.com/wp-content/uploads/2020/10/IMG_20201022_094603-scaled.jpg” name=”内川”]なるほど、じゃあ速く走るにはめっちゃ足を上げればいいことになるから、こうやって走るのが一番速そう?[/lnvoicel]

そしてももを一番高く上げて実際に走ってみせます。

(こういう走り方ですね。)

すると子供は大笑いして[lnvoicer icon=”https://rikujou-ac.com/wp-content/uploads/2018/10/165592-e1546525307485.png” name=”子供”]違うー!遅そう![/lnvoicer]と返してくれるので、[lnvoicel icon=”https://rikujou-ac.com/wp-content/uploads/2020/10/IMG_20201022_094603-scaled.jpg” name=”内川”]そうだよね、これは遅そうだよね?ということは、足を上げようとして上がってるんじゃなくて、「何かをした結果上がってくる」ってことがわかるよね?[/lnvoicel]

ここまでで「ももを上げるから速く走れるわけではない」ということはわかりました。

ではなぜももが上がるのか?

まだ質問は続きます。

[lnvoicel icon=”https://rikujou-ac.com/wp-content/uploads/2020/10/IMG_20201022_094603-scaled.jpg” name=”内川”]さっき「何かをして結果」足が高く上がってくるということはわかったよね?じゃあその「何か」とはなんだろう?[/lnvoicel]

この質問をすると、2割くらいは[lnvoicer icon=”https://rikujou-ac.com/wp-content/uploads/2018/10/165592-e1546525307485.png” name=”子供”]練習![/lnvoicer]という回答を返します。
これは彼ら彼女らの頭の中で先程の質問&回答を消化できていないことがわかります。

先程現象として「高く上げたいわけではない」という結論が導けたにも関わらず、今では「練習をすることによって高く上がる」と誤認してしまっているからです。

残った7.8割は「う~ん…」と唸ってしまうのでそこで追加のヒントを与えます(0.2割は回答を即答します)。

[lnvoicel icon=”https://rikujou-ac.com/wp-content/uploads/2020/10/IMG_20201022_094603-scaled.jpg” name=”内川”]ももあげの上がってきた足は、上る前に何をしていたかな?[/lnvoicel]

ここで実際に上げている足を地面に着いているところまでゆっくり戻します。
ここまで行うと

[lnvoicer icon=”https://rikujou-ac.com/wp-content/uploads/2018/10/165592-e1546525307485.png” name=”子供”]地面に着いていた![/lnvoicer]という回答が出始めるので、[lnvoicel icon=”https://rikujou-ac.com/wp-content/uploads/2020/10/IMG_20201022_094603-scaled.jpg” name=”内川”]そうだね、地面に着いていたね。その着いている足は地面に対して何をしていたのかな?[/lnvoicel]という質問をします。

ここからストレートで「地面を押していた」という回答が出ることはほとんどないのですが、それはまた別の説明方法がありますがここは省略します。

正しくは「切り返し」

まとめると地面を強く押した反動でももが上がってくるということです。
すなわち足が速い選手はももを高く上げたから足が速いのではなくて、「強く地面を押せるのでその反動として足が上がっているように見えた」ということです。

つまり「地面を強く押す」が原因で「足が高く上がる」は結果ということです。
因果関係ではなく少し相関関係があるということですね。

この現象を見て「高く上げれば速くなる」と誤認するのは「メッシと同じスパイクを履けばサッカーのプレーが上達する」と勘違いしているのと同じです。
こうして見ると笑い話ですが、事実として多くのかけっこ・陸上教室で「ももあげはももを高く上げるためにやる」と指導しているといます。
ということは、その教室では「サッカーを上手になるためにメッシと同じスパイクを履こう!」と真顔で教えているということです(しかもお金をもらって)。

なので正確にはあの動きは「ももを上げる」ではなく、「地面を押して空中で足を切り返す動作」なので、名前からして間違っているというわけです。
ももを上げたいのではなく、切り替えしたいのです。

ではなぜこれほどまでにももあげが普及しているのでしょうか?

ももあげドリルは間違って伝わった練習

なぜももあげが誤って広まっているのかというと、これはマックコーチという陸上短距離のチャンピオンを多数排出しているコーチが元となっています。

マックコーチの講演が元

マックコーチが日本に来て講演を行った際に、走りの足の動きを4つの局面に分けて解説しました。

それを聞いた全国各地から来ていた日本のコーチは分析としての動きではなく、単純にその動きを上達させたら良いと勘違いし、そこで学んだ(と思っている)動きをそれぞれの地元に持って帰って「最新のトレーニングでは…」と普及させました。

これと全く同じことを、40年後にも行っています。
この原因と結果を取り違える日本のコーチングは最早お家芸なのですかね?

[kanren url=”https://rikujou-ac.com/method-039/#outline__4_3″]

日本で誤って伝わった練習に本人も驚愕

そしてマックコーチが再来日した際に日本のコーチが「あなたが教えてくれたドリル(動きづくり)をみんな取り入れているんですよ!」とドヤ顔して披露した際に、マックコーチは「そんな動きを誰が教えたんだ!」と驚愕していたようです。

事実として誤って日本中に広がってしまったマック式ドリルを訂正するためにマック氏は再度講演会を開きましたが、結局既に広まってしまったものを訂正することはできずに、それが現在まで引き継がれて練習として行われているということです。

この話は「マック ももあげ」とググれば掃いて捨てるほど出てきますので有名です。

そして誤って広まってしまったドリルですが、指導者から選手への伝達は指導者がやれと言ったのでやっているという選手がほとんどです。
指導者に「ももあげはももを高く上げるんだ!」と言われたら、基本的に選手はそういうものだと思って取り組みます。
そして彼らが選手から指導者となった時に、自分が実際に指導を受けてきたことをそのまま次世代の選手に伝えるわけです。

「ももあげはももを上げる」と教えているコーチは何も考えていない

つまり彼らは自分で理論を考える(学習する)ことをせずに、ただ上から流れてきたことを下に伝えているだけに過ぎないわけです。
その結果が冒頭で紹介した、イマイチなももあげを子供にさせるコーチです(ちなみにそのコーチは振り上げ足が地面に着いてから軸足を上げていたので浮いていないです。つまりももあげ走りではなく、ももあげ歩きだということです。これなら陸アカの生徒のほうがももあげ上手い)。

よって「ももあげ」を「腿上げ」として行っている教室はセンスがないというタイトルになったわけです。
無事タイトル回収できましたね。

この様に、あまり走りのことをわかっていない指導者は無数にいるので、それを見極める目を持つことも大切です。

陸アカでももあげを行わないきっかけ

ちなみに僕がももあげを行わなくなった理由は[lnvoicel icon=”https://rikujou-ac.com/wp-content/uploads/2020/10/IMG_20201022_094603-scaled.jpg” name=”内川”]そもそもももあげって何の能力を伸ばしているの?[/lnvoicel]と考えるようになったからです。
選手時代は「指導者は絶対」と思っていたのでそこまで考えませんでしたが、自分が指導者となって「練習の物理的意味」を考えるようになってから、必要な練習と不要な練習が恐ろしい速度で分別できるようになりました。

なので自分で考えている指導者は自分なりの軸(こだわり)があるので、かけっこ教室選びの際には体験レッスンでそういった面も気にしてみると良いと思います。

「ももあげって何でやるんですか?」

この質問はかけっこ教室選びの際の1つの指標になるのではないでしょうか?

まとめ

ももあげはももを上げたいのではなく、軸足で地面を押して空中で切り返す練習。
ももを上げることに意味はない。

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この記事を書いた人

陸上アカデミア代表。
中学時代に陸上競技と出逢い、以降大学まで10年間陸上競技に打ち込む。青山学院大学時代には走り幅跳びで全国7位&大学記録更新を達成。自身が大学時代にバイトをしていた陸上未経験者が教えるかけっこ教室や周りのただ走らせるだけの「指導をしないかけっこ教室」に嫌気が差し徹底的にコーチングやスポーツ科学を学び、その集大成として東京都世田谷区で『確実に成果が出るかけっこ教室』を主宰している。

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