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サッカーや野球のパパ・ママコーチに子供の技術を上達させることはできない2つの理由

走り幅跳びをやっているけど足が遅い!と悩んでいるなら、間違いなく足を速くすることの注力したほうがいい。 理由は単純で、幅跳びの記録は走力に比例するからだ。 今回は走り幅跳びをやっているけど足が遅い人からの質問に答えていこう。

目次

本日の質問

[lnvoicel icon=”https://rikujou-ac.com/wp-content/uploads/2020/10/IMG_20201022_094603-scaled.jpg” name=”内川”]

こんにちは、陸上アカデミアの内川です。

今日は「パパママコーチの限界点」ということについてお話していきたいと思います。

[/lnvoicel]

[lnvoicer icon=”https://rikujou-ac.com/wp-content/uploads/2019/01/c4fc4680e68b3b317ed2c664c8955517.png” name=”悩める相談者”]小6の娘が地元の陸上クラブに通っており平日は1時間✕4、土日は3時間ずつ練習しているのですが、そのチームは子供の父親が子供にマラソンを教えるのに、どうせなら他の子供も教えようという経緯で始まったので、指導という指導が全くなく、いわゆるパパコーチというやつです。

なので娘は走りの基礎が全く無く、上達していません。
こんな状況なので答えが欲しくて体験レッスンを受けました。[/lnvoicer]

今日は体験レッスンに来た方の状況に回答していきます。

まとめると

[aside type=”sky”]

  • 小6女子
  • 陸上クラブ所属
  • 指導がないので上手くならない

[/aside]

ですね。 ではここから回答していきます。

結論

[aside type=”orange”]【今日の結論】 保護者は指導ではなくサポーターに徹し、子供の能力を最大限発揮できる環境をひたすら提供してことに徹するべき[/aside]

ではなぜ「保護者はサポーターに徹するべき」という回答になるかを解説します。  

まず最初にはっきりさせておくと、僕はパパコーチ・ママコーチの存在に否定的な立場です。
理由は2つあります。

  1. 勝利至上主義になりがち
  2. 指導力が向上しない

ということです。

ではここでパパコーチ・ママコーチ是非を問う前に、まず一体あなたは子供のスポーツに何を求めているのかを考えてみましょう。

あなたは子供のスポーツに何を求めているのか?

一般的に子供のスポーツに求めていることとして3つ考えられます。
1.運動機会の増加
2. スキルの上達
3.勝利
です。

それぞれ解説していきましょう。

1.運動機会の増加

運動機会の増加に関してはこちらの記事でも解説しましたが、10年、20年、30年前の子供と比べて年を重ねるごとに子供の運動機会というものが減少しています。

「最近の子供は外で遊ばないで家の中でばっかり遊んでいる」

これは一般的な体感値としてもそうですよね?

あなたが子供の頃よりも今の子供は外で遊んでいる時間、頻度ともに少ないのではないでしょうか?
これを補填するための時間としてスポーツの習い事を使っている例です。

2.スキルの上達

これはサッカースクールだったり野球の個別指導です。

そこ単体で試合に出るわけではなくて、あくまでも子供を集めて競技スキルを上達させるという内容になり、陸上アカデミアもここに当てはまります。

3.勝利

最後に目的が「勝利」の例。

これはチームとして所属していて、そのチームで試合に勝ってどんどん上の大会に進むことを目指している例ですね。
体感値で言うと大体7,8割の方がここの勝利という目的に当てはまるのではないでしょうか。

せっかく月謝を払って子供を通わせていて試合に出るとなったら、その試合で勝たせたいというのは至極当然の考えだと思います。

ただ果たしてそのゴールと言うものは本当に正しいものなのでしょうか。

小学生時代の勝利に対して価値はないと思う

まず前提として内川は「小学生の段階で勝利を求める必要はない」と思っています。

理由は2つ。

  1. 勝利は環境によってもたらされた可能性が非常に高いから
  2. 小学生で全国トップが大人になってもトップである確率は限りなく低い

これについてそれぞれ解説したいと思います。

1.勝利は環境によってもたらされた可能性が非常に高いから

中学生の陸上競技の全国大会というと全中やジュニアオリンピックというものがあります。

中学時代の内川少年も当然全中出場を目指していたのですが、高校、大学時代よりその心理的距離は遠かったように思います。
口では「全中目指している!」と言うけど実際はなんとなく「まあ無理っしょ」と思っているということですね。
これが高校になると「行けるかも!」、大学では「まあ行けるっしょ」となっていました。

で、その理由なのですが、当時はなんとなくと思っていた「まあ無理っしょ」ですが、今ならはっきりその理由がわかります。

それは「中学までは身体的な成長」つまり「親からの贈り物部分が大きいから」です。
もちろん全員がそうとは言いませんが、基本的に中学までは「成長が早い子」が強いです。
身長、体重、筋力などもそうですし、身体的な連動性などもそうです。

これは年齢という分母に対する、努力という分子の問題です。

わかりやすい例として、Jリーガーには早生まれ(4,5月生まれ)が多く、遅生まれ(2,3月生まれ)は少ないです。
理由は幼稚園年中さん(4歳)の4月生まれと3月生まれはほぼ1年間違うので、4月生まれの子は3月生まれの子の1/4 多く人生を生きていることになります。

よって実質1年差の子供同士の勝負となるので、その段階では「自分はスポーツができるんだ!」と思い込む(いい意味での勘違い)をします。
そのスパイラルと、大人の「あの子はスポーツできるんだ!」という目線により、ますます目にかけるようになり早生まれの子はスポーツが上達するようになります(ピグマリオン効果)。

逆に遅生まれの子は「自分は周りと比べてスポーツができない…」という自己認識と「あの子は運動できないから…」という周りの大人の諦め(ゴーレム効果)により、余計にスポーツの苦手に拍車がかかります。

何度も言いますがこれが全てではありません。

この生まれの早い遅いは、あくまで要因の1つであり全てではありません。

遅生まれでもスポーツが上手な子もいますし、実際内川は12月生まれです。

ただ実際にその時までに過ごしてきた年数が分母、自意識を持って自分で律して色々考え、練習をしている期間を分子と考えた時にその結果は、幼少期のほうが分母の影響が大きいということが分かると思います。

が、そうした複数の要素が絡み合い、身体も出来上がる高校生相当までは結果に対する努力の割合が相対的に低くなってしまうというわけです。

なので本当の意味でその子の努力(がむしゃらな努力ではなく、目的達成のために必要な要素を段階的に積み上げる行為)が実を結ぶのは高校生以降なのではないかと思うわけです。

[kanren url=”https://rikujou-ac.com/method-025/”]

2.小学生で全国トップが大人になってもトップである確率は限りなく低い

実際に僕の大学の同期に中学時代日本1になった子がいましたが、大学では鳴かず飛ばずだったり、中学時代に全中に出場したときの100m記録が生涯ベストの子もいました。

正直幼稚園や小学時代は周りの環境でどうとでもなります。

内川自身、多くの小学生と接していますが、競技成績がよくてもはじめの段階から「あぁこの子自分で考えて組み立ててやってるな」と感じる子は本当にごく僅かです。

大体が「言われているからやっている」という段階です。
もちろん僕自身小学時代に行っていたサッカーは言われているからやっていたマインドだったので全く上手くなりませんでした。

が、中学以降自分で本当に好きで陸上をやり始めてからは、誰に言われるまでもなく、自分で勝手に練習をしていました。

これは僕の今後の人生において非常に大きな分かれ目となる出来事だったんですけれども、当時はそれをすごく恨んでいました。

しかし、今考えるとあの経験がなければ今の自分というのはいない。と断言ができます。なので、あの孤立無縁だった時期というのは僕にとって非常に財産になっております。

中学時代の経験はこちら

とは言え、勝ちを追求する場合のお話。

勝利至上主義の弊害

その子の育て方、方針に関してはご家庭の各々の方針があると思いますので僕は深く関知しません。
なので、ここでは小学生でも勝ちを貪欲に求めていくとなった場合についてお話できます。

勝つことを子供には求めていて、子どもたちを叱るのであれば、コーチが素人なのは矛盾している

もし仮に勝利することが最大の目的であり、そのために時間とお金を投資して子供をスポーツ教室に通わせているのであれば、コーチがパパ・ママコーチというのは矛盾しているのではないでしょうか。

「目的は勝つことです」とすると勝利のために指導者側も選手側も動かなければならないにも関わらず、その指導者側が指導の素人というのはどうなのでしょうか?
もし仮に100点の指導をしていて、子供がそれに応えない結果として成果が出ないということであれば、まあ怒る気持ちも分からなくはありません。
(とはいえそもそも僕は子供のスポーツ教育、スポーツ指導において怒るという行為はいらないものだと思っています。)

ただ今は指導する側が提供するパフォーマンスとして、100点のものを提供している上で子供が応えないから怒るという例です。
もしここで99点、98点と指導のパフォーマンスが下がっていき、自主的に提供しているものが60点や50、40点と言った程度の内容だったとしましょう。

提供しているものが40点にも関わらず、もっと真面目にやれとか本気でやれとかしっかりやれと怒られた子どもはどう思うでしょうか?

1.嬉々として素直にその指導に従う
2.嫌な気持ちになる

まあ2ですよね。
そしてこの嫌な気持ちになるというのがどんどん積み重なっていくと、その瞬間の嫌な気持ちだけではなくてコーチに対する嫌な気持ちだったり、挙句の果てにはそのスポーツに対する嫌な気持ちに変わります。

そうなってしまっては本末転倒ですよね。

なので指導者側は子供が反論できないほどのハイパフォーマンスを発揮しなくてはならないのです。

何度も言いますが、これは勝利を目的としたクラブの場合です。
運動機会を増やすやスキルを向上させるといった目的のクラブにこの原則は当てはまりません。
あくまでも勝つためにやっているのであれば、それを導く指導者側も納得のできるパフォーマンスを提供しなければならないという話です。

子供に勝利を求める際の保護者の条件

これを回避するための選択肢は二つです。

1.勝利を求めるのであれば自分もしっかり勉強する
2.子供の身体能力向上を課題とし、自ら(パパ・ママ)はサポーターに徹する

ここで少なくない数のお父さんが奮起をしてよし俺は1をやるぞ!となると思いますが、なかなか難しいと思います。
というのも[keikou]自身が学生時代にそのスポーツをやっていたことと、指導者として小学生の子供に必要なものを必要な順番で分かりやすく提供していく能力というのは全く別物[/keikou]だからです。

だいたいのパパコーチ、ママコーチは理論的な指導ではなく、自分が学生時代に経験したことをそのままやります。
元々はなにか目的があったメニューだったのかもしれませんが、それを形式だけなぞるのは、ただのエクササイズです。
プラクティスではないです。

メニューをやらせるだけだったらできます。
ただメニューというものは目的があって初めてメニューという体を成します。(そもそも正しくはスポーツ指導にメニューという言葉は存在しないみたいですが)
つまり目的のない練習というものは意味がないということです。
意味がないとまでは言いませんが、それは技術的な向上ではなくて体力だったり筋力心肺機能といったものが、向上しているに過ぎないわけです。

なので、どこかで見た練習、YouTube で見た練習。

こういったものの目的それから習得したい技術その理論背景まで分かっているのであればその練習を導入する意味はありますが、
そうでなくてただその動きをやらせてるだけというのはただのエクササイズにしかならないということです。

ここまで学習するには膨大な時間それからお金がかかります。
そうですよね。
[keikou]それで飯を食ってる人はいる中、自分が片手間でそこに入り込んでいけるわけはない[/keikou]ですよね。
なので、もし本当にパパコーチとして勝利のために子供に関わっていくことであればそれ相応の覚悟が必要なわけです。

そしてそこまで出来る状態になったら必ず見返りが欲しくなると思います。

というのも僕が実際に時間とお金というリソースをかけて今子供にこうした資料ができる状態になっている段階で、[lnvoicer icon=”https://rikujou-ac.com/wp-content/uploads/2019/08/245689-e1565327900985.png” name=”保護者”]ボランティアで子供の指導をしてください[/lnvoicer]
と言われたら一瞬で断ります。

なぜなら今その指導を1時間するということを外から見ると1時間で済むんですが、その状態になるまでにたくさんの時間とお金がかかってるからです。
つまり、それをタダでもらおうというのは健全な関係ではないと思います。

なので、もし猛烈に勉強してパパコーチとしてその段階になったら必ずそこでお金が欲しくなります
自分の努力に対する対価が必要となりますし、それをいただくのは当然だと思います。
とするともはやそれはパパコーチではなく、お金が介在したただのコーチになるわけです。

なのでやはり[keikou]「勝利を目的としたチーム」にパパママコーチの居場所はない[/keikou]ということです。

小学生を育成時代と考えられるのであれば、パパコーチや仕事を定年で引退したアガリのコーチが子供の運動能力を高める目的でボランティア等でコーチを行うのは賛成です。
ただ、これも恐らく数名のコーチで10名以上を見ることになるので、1人1人に対して技術的向上を行う時間はないと思いますが。

[kanren url=”https://rikujou-ac.com/method-28-2/”]

なので、結局保護者は子供のサポーターというのが適切な位置かと思います。
子供の支え方に関しては別の記事を書きます。

まとめ

勝利を求めるならばパパママコーチの出番はない。
ただ、小学校時代をきちんと育成期間と捉えられるのであれば、コーチングさえ学べば役には立てるが、基本的には両親は子供のサポートをすることに全力を注ぐべし!

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この記事を書いた人

陸上アカデミア代表。
中学時代に陸上競技と出逢い、以降大学まで10年間陸上競技に打ち込む。青山学院大学時代には走り幅跳びで全国7位&大学記録更新を達成。自身が大学時代にバイトをしていた陸上未経験者が教えるかけっこ教室や周りのただ走らせるだけの「指導をしないかけっこ教室」に嫌気が差し徹底的にコーチングやスポーツ科学を学び、その集大成として東京都世田谷区で『確実に成果が出るかけっこ教室』を主宰している。

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