速く走る練習で縄跳び?どれだけやっても足は速くなりませんよ?
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速く走る練習で縄跳び?どれだけやっても足は速くなりませんよ?
「もっと速く走りたい!」という子供の悩みに「縄跳びをすれば足が速くなる!」と答えるのはやめましょう。
断言しますが何十時間縄跳びをしても足は速くならないです。
今回はその理由をご紹介します。
本日の質問
内川
今日は縄跳びを練習すると足が速くなるのかについて回答します。
【足を速くする】
瞬発力を付けたいと思っています。
そこで縄跳びをしようと思うのですが効果はありますか?
またどのような跳び方がいいのでしょうか?
他にもいいトレーニングがあったら教えてください!
悩める相談者
今日はこの質問に回答していきます。
まとめると
足を速くするために縄跳びをしたいと思うが効果はあるのか?
ですね。
ではここから回答していきます。
結論
【今日の結論】
いくら縄跳びを練習しても足は速くならない
ではなぜ縄跳びを練習しても足が速くならないのかを説明します。
→【小学生が速く走るにはコーディネーショントレーニングが有効だ!】
縄跳びと走りでは、使う筋肉と動作が異なるから
まず走りを速くするには2つの方法があります。
1つは走りの効率を良くすること。
もう1つは出力を大きくすることです。
それぞれどういうことでしょうか。
効率は走りの練習、出力は筋トレによって向上する
まず走りの効率を良くするというのは実際に走って練習しないといけません。
この「走って」というのは全力で100mや50mを走るだけではなく、走りの中の一部分を取り出して練習する「ドリル」という動作も含まれます。
こうして走りを要素分解して一つ一つの動作を正確または効率的にすることによって足が速くなります。
また出力というのは、実際に走りで使う筋肉一つ一つを大きくまたは強くする行為です。
つまり筋トレですね。
筋トレ自体は走りの動きとは何ら関係のないものですが、それによって筋肉つまり走りの出力器官が強化されます。
結果的に同じフォームだったとしても、一歩で進める距離が伸びるため走りは速くなります。
このように走りを速くする方法というのは「効率を良くする」か「出力」を上げるかのみなわけです。
ちなみにイメージトレーニングは効率を良くする方に含まれますね。
では縄跳びはこのどちらかに含まれるのでしょうか。
縄跳びは軽度な上下運動。
結論から言うとどちらにも含まれません。
理由は縄跳びという行動を要素分解してみると分かります。
縄跳びはその場でジャンプをしますが立ち幅跳びのように全身を使ったジャンプではなく、足首の返しを使ってジャンプするだけです。
先ほどの筋トレは強度の高い動きだったので筋肉がつきますが、足首を返すくらいしか力を使わない縄跳びをいくらやっても筋肉はつきません。
むしろ有酸素運動をひたすら続けると筋肉は減っていきます。
→【短距離・跳躍選手が有酸素運動を行うべきではない確固たる理由】
とこういう話をすると
普通の縄跳びではなくて二重跳びは三重跳びのようにもっと全身を使った縄跳びなら良いのではないか?
悩める相談者
といい出す方が必ずいらっしゃいます。
しかしこれに対しても私はNoと言いたいです。
理由は三重跳びができるできないは「ジャンプ力」と「テクニック」のかけ算だからです。
単純にジャンプ力があっても膝を素早く曲げられなかったり、三回縄を回すスキルがなかったりすると三重跳びを続けて跳ぶことはできません。
今鍛えたいはジャンプ力だけですし、縄跳びのスキルをいくら磨いても走りは速くなりません。
とするならば、
ジャンプするのはいい。
ただ縄跳びでやる必要はない
内川
と思うわけですね。
縄跳びを使わずにジャンプ力を鍛える方法はこちらの記事をご覧ください。
→【バウンディングを練習すればジャンプ力がついて確実に足が速くなる】
そう言っているのはたいてい時代遅れの根性論者
とは言えここまで論理的に説明してもなかなか納得できない方はいらっしゃいます。
そういう方は、
悩める相談者
とか、
悩める相談者
とか言い出します。
よく入り教えるのが大好きなオヤジやヤフー知恵袋などでドヤ顔で回答している層とかもそうですね。
こうやって「かけっこ速くするには縄跳びだ!」と言っている人に対して
内川
と返すと
悩める相談者
とかわけわからないことを言い出します。
面白いのでもう少し突っ込んでみましょう。
足首を強くすることと走りが速くすることはどのような関係があるのですか?
内川
悩める相談者
ですが走りというのは股関節を大きく進展させ、重心の上下させずに前に進める運動ですが、足首だけ鍛えていればいいんですか?
内川
悩める相談者
縄跳びは確かに全身運動ですが、股関節の伸展も皆無な上にその場での運動ですが…
内川
悩める相談者
内川
ということで結局理論が破綻してるわけですね。
もっと言うと仮に縄跳びでわずかでも足が速くなるのであれば大学の陸上部員はみんな縄跳びしてるはずです。
私は大学四年間で一度も縄跳びをしたことはありません。
つまり意味はないんです。
→【50mのタイムが伸びない?順調ならこのようにタイムは伸びるはずです!】
基本的にアドバイスをしてくる大人は間違っている
これは必ず覚えておいてほしいんですけれども、ネットで運動のアドバイスをしてくる人は大抵間違っています。
そのアドバイスはただ自分が経験した体験に過ぎないからです。
自分の体験しか話せない人たち
悩める相談者
とか、
悩める相談者
「論理的にこう」とか「科学的にこうなんだ」という話ではなくて「ただ自分がそうだったからそうだ!」という程度の話でしかありません。
サンプル数が1なんですね。
更に言うと自分がそうだった理由はそこにないかもしれないわけですね。
例えば実際に縄跳びをしていて足が速かった人もいるかもしれません。
ですがそれは縄跳びをしたから足が速いのではなくて、元々足が速かった(運動が得意だった)ので縄跳びが得意だったのかもしれません。
なのでネットや身近な大人(親戚とか)のアドバイスは、その人がどのような実績、それからどのような経験をしてその結論を導くに至ったのかをきちんと選定して採用するようにしましょう。
でないと大切なお子様の幼少期を棒に振ることになります。
ちなみに私が一通り確認した限り、ヤフー知恵袋で走り方のアドバイスをしている人の95%は最新スポーツ学的に見ると間違っていたのでご参考までに。
→【かけっこのアドバイスを、ヤフー知恵袋で求めるな!】
まとめ
【今日のまとめ】
縄跳びで足が速くなることはないので、フォームの改良・脚力の強化に努めよう!
Comment
縄跳びと同時に反発を前に変換するため股関節の可動域を広げたりスキップをしたりすれば足を速くなりますか。また中学生には縄跳びは効果はありますか
中田様
>>縄跳びと同時に反発を前に変換するため股関節の可動域を広げたりスキップをしたりすれば足を速くなりますか。
これは股関節の可動域というより、足首が固まって跳ね返りの力を前へ進む力に変換できるか、またその効率の話なので、股関節とはまた違いと思います。
>>また中学生には縄跳びは効果はありますか
足首を返さずに跳ぶのであれば効果あると思います。