「走り幅跳びの記録を伸ばしたい!」
そう思っているのであれば、走り幅跳びで全国7位入賞した際に行っていた筋トレメニューを余すところなく紹介しているので、このページを隅から隅まで見て実践してほしい。
必ずあなたの記録を伸ばす役に立つはずだ。
こんにちは、陸上アカデミアの内川です。
今日は走り幅跳びの選手がやるべきウエイトトレーニングについてご紹介していきたいと思います。
ご紹介する内容は僕が実際に大学で走り幅跳び全国7位になったときに取り組んでいたメニューです。
大学生向けですが、ここから強度を落とすことによって中学生、高校生にもアレンジ可能です。
では早速本編に入りましょう。
走り幅跳びの選手が筋トレを行うべき2つの理由
出力✕効率で記録が決まるから走り幅跳びにも筋トレが必要だ!
まず最も大切なことですが、陸上競技の成績というのは 出力✕効率で決まります。
噛み砕いて言うと、最も少ない体重で最も大きな力を出した人が勝ちます。
そしてその出力を上げる手段としてウェイトトレーニングがあります。
なぜなら出力というのは筋肉量で決まりますし、効率というのはテクニックに依存します。
これは短距離であろうと走り幅跳びであろうと変わりません。
結果=出力✕効率
出力=筋肉量、効率=テクニック
走り幅跳びでは体重が重いよりは軽い方が跳びやすいので、体重が軽くて足が速い選手が一番記録が良いです。
ですが体重の軽さだけ突き詰めてしまうと今度は出力自体が弱くなってしまうので、助走速度が落ちたり、踏切が弱くなってしまいます。
この二つのちょうどいいポイントを探していくことが、自身の競技成績向上において最も大切だということです。
では今回はこの出力を上げる方法、ウエイトトレーニングについてご紹介していきたいと思います。
跳躍選手は投擲選手の次にウエイトトレーニングが必要
跳躍選手は基本的に短距離選手よりもウエイトトレーニングをしっかり行うべきです。
ちなみに投擲選手は跳躍選手よりもしっかり行わなくてはいけません。
つまりウエイトトレーニングを重視するべき順番は
投擲選手>>跳躍選手>>短距離選手です。
なぜなら投擲選手は瞬発力が全てですし、跳躍選手は走りのスピードを瞬発力で上方向もしくは前方向へのエネルギーに変える必要があります。
そして最後に短距離選手はスピードが命です。
筋力が必要な順番は、走るスピードがどれだけ直接記録に影響するかによります。
短距離選手は走る速度がそのまま記録です。
一方投擲選手は助走スピードというよりは投擲物をリリースする瞬間の速度が重要です。
このリリースする瞬間の速度を速めるものこそ、筋力(瞬発力)、つまりウエイトトレーニングで伸ばせる能力です。
また、跳躍選手は助走スピードをテイクオフで上前方へのエネルギーを変える際に速度が必要で、この速度を速めるものが筋力(瞬発力)です。
つまり跳躍選手はかなりウエイトトレーニング に注力しなければならないのですよ。
走り幅跳び選手が取り組むべき筋トレメニュー
では、どんな動きが走り幅跳びの記録を伸ばすのに役に立つのでしょうか?
それは体をすばやく収縮・伸展させる動作です。
最も取り組むべき種目:クリーン
では最も大切な動きがわかったところで、実際に取り組むべき種目をご紹介します。
まず跳躍選手が一番行うべき筋トレメニューのクリーンです。
クリーンまたはハイクリーンですね。
クリーンとはなにかと言うと、地面に置いたバーベルを足首、膝関節、股関節3関節の伸展を使ってすばやく上まで持ち上げ、それをキャッチする動作 です。
クリーンがわからない方用に教科書のようなクリーンを行う動画を用意したので御覧ください。
クリーンはふくらはぎ、ハムストリングス、臀部、この非常に大きな三つの筋肉を可能な限り素早く伸展・収縮させることによって、バーベルを挙上する種目です。
この時に必要な筋肉及びパワーは、跳躍の踏切時に必要とされる爆発的なパワーそのものです。
つまり減速の少ない鋭い踏み切りを手に入れたい場合には必須のトレーニングと言えます。
トレーニングも亜種として、
- パワークリーン
- ハングクリーン
- クリーンプル
など多岐に渡ります。
床から持ち上げるパワークリーン、バーベルを持った状態で始めるハングクリーン、キャッチを完全に行わないクリーンプルといった数々の種目があります。
それぞれいいところと悪いところがあるので、自分がどの力が欲しいのかというのをきちんと見極めてウェイトトレーニングに取り入れてみてください。
このように非常に奥が深い種目なので、詳しく知りたい方はこちらを御覧ください。
(ちなみにクリーンの類似種目でスナッチもありますが、あまりいらないです。理由は別途記事にします。)
次に取り組むべき種目:デッドリフト
2番目に必須の動きがあります。
デッドリフトと呼ばれるトレーニングです。
デッドリフトもクリーンと同じく床に置いてあるバーベルを引き上げる動作ですが、これは勢いをつけて持ち上げるのではなくて「引き上げる」というのが正しい動作です。
やり方についてはこの動画をご覧ください。
デッドリフトは BIG 3と呼ばれる種目の中でも体の裏面全体を鍛える種目です。
クリーン同様ふくらはぎ、ハムストリングス、お尻それから背中(脊柱起立筋、広背筋)をまんべんなく鍛えることができます。
余談ですが内川は小学生にかけっこを教える以外にも、実業団のスプリンターにウエイトトレーニングを教えていたりもします。
それで陸上選手はベンチプレスやスクワットはやりますが、比較的デッドリフトはやらないんですね。
なぜか陸上界のBig3はベンチプレス、スクワット、クリーンです。
確かにクリーンはとても最も重要な種目ですが、クリーンを入れたからデッドリフトを除いていいと言うことにはなりません。
そこはクリーンを加えてBig4にするべきです。
ここから何がわかるかと言うと、陸上選手ってデッドリフトやらないので背中の筋肉が少し弱いのです。
やってもせいぜい背筋とかですよね?
なんで胸や脚の筋肉はベンチプレスやスクワットで重り持って鍛えるのに、背中は自重トレの背筋なんですか?
確実にデッドリフトで負荷かけたほうが良いです。
必ずやりましょう。
それだけで走り幅跳びの記録は頭一つ飛び抜けることができます。
この2つが跳躍選手が必ずやるべきウエイトトレーニングです。
→【デッドリフトをマスターする】
追加で行いたい種目
上記の2種目に加えて、踏み切り時の爆発的パワーを上げるために追加で行いたいサブ種目をご紹介します。
追加種目1:ステップアップス
踏み切りの練習としてステップアップスという種目も取り入れてみると良いでしょう。
ステップアップスを行うと臀部(お尻)の下、ちょうどハムストリングスの真上の筋肉を鍛えることができます。
これによって力強い踏切をすることが可能となります。
ポイントは踏み切り足をボックスに載せて力を入れ始めた瞬間から、リードレッグを振り上げ終わるまでの時間をなるべく短くすることです。
追加種目2:スクワットジャンプ
Big3にも含まれるスクワットを軽量で、かつSSC(Stretch Shortening Cycleという概念)を導入して行います(SSCについては別途記事にします)。
これにより爆発的パワーを発揮することができます。
ポイントはバーベルを重くしすぎないことです。
重すぎると鋭い踏み切りに結びつきません。
→【スクワットジャンプをマスターする】
追加種目3:フロント&バックランジ
ランジですね。
ランジウォークではなく、1歩ずつ踏み出すランジです。
これもデッドリフト同様臀部及びハムストリングスに効きますが、デッドリフトが筋肉を収縮させながら力を発揮(コンセントリック)するのに対し、ランジは筋肉を伸長させながら力を発揮(エキセントリック)するので、どちらも取り組むのが良いでしょう。
上の動画は前に踏み出すのでフロントランジですが、後ろに踏み出すバックランジも同様に有効です。
むしろバックランジのほうが臀部、ハムストリングスに効きやすいはずです。
追加種目4:プレートorバーベル腹筋
走り幅跳びに限らず陸上競技で体感が必須なのは言わずもがなですが、腹筋はどのように鍛えているでしょうか?
最も効率的な腹筋はシットアップベンチで重りを担いで行うことです。
これに座った状態でバーベルのプレート及びバーベル自体を担いで腹筋を行います。
これだけで腹筋自体の筋量を増やすことも出来ますし、出力を上げることもできます。
内川は現役時代30kgのバーベルを担いで行っていました。
その他に行うべき種目
もちろん他にもスクワットやベンチプレスなどの代表的な筋トレは行うべきです。
ですが走り幅跳びの記録を上げるということに特化するならば、やはり最も効率が良いのはクリーンです。
「瞬発力を上げたいんですけど」と相談されたら僕は必ずクリーンを勧めます。
これをきっかけにクリーンを習得してみてはいかがでしょうか??
もちろんバウンディングも必要です。
まとめ
走り幅跳びの記録を伸ばしたいなら瞬発力を上げるためにクリーンに取り組もう!
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参照:走り幅跳びをやっていて足が遅いときは、助走スピードを上げないと後悔することに…
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