【常識】え?走り幅跳びでどれだけ空中動作を頑張っても記録は伸びませんよ??
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「走り幅跳びで空中動作を頑張っても記録は伸びないです」
こういうと「えぇっ!??」と驚く人が多いが、空中動作は記録を伸ばさない。
空中動作の意味を知っておくことは走り幅跳びを続けていく上で大切だ。
目次
本日の質問
今日は走り幅跳びに関する質問に回答していきます。
[lnvoicer icon=”https://rikujou-ac.com/wp-content/uploads/2019/01/c4fc4680e68b3b317ed2c664c8955517.png” name=”悩める相談者”]走り幅跳びについて質問です。
空中動作だけで記録はどのくらい変わりますか?
今はかがみ跳びですが、反り跳びに変えたらどのくらい伸びますか?
今日はこの質問に回答していきます。
結論
【今日の結論】
空中動作で記録が伸びることはない。
ロスが減るだけなので最低限の練習をしてあとは走力を伸ばそう!
動画版の解説はこちら
まずは「空中動作で記録は伸びない」というお話をします。
空中動作で記録が伸びることはない
これは意外と知らない方もいるんですけれども、空中動作をいくら頑張ったところで記録は伸びません。
理由は踏み切って地面から足が離れた瞬間に、最大到達地点というのは決まっているからです。
→【走り幅跳びの記録を決める最大要因は助走スピードである】
走り幅跳びなのでなんとなく空中で頑張ると記録が伸びる気がしてしまいます。
実際によく飛ぶ選手は空中でとても頑張っているイメージがありますね?
しかし空中でどれだけ頑張っても記録が伸びません。
理由はスキージャンプと同じです。
空中で頑張っても記録が伸びない理由はスキージャンプと同じ
スキージャンプは滑走路を滑りジャンプします。
ジャンプして最高高度に達した後はひたすら落下し続けます。
その後記録が伸びているのは揚力によって「落ちる速度を緩めている」に過ぎません。
つまり空中で頑張ったからといって、最高高度より上がることはないんですね。
頑張って上に上がるのは飛行機だけです。
同様に走り幅跳びでも踏み切ってしまった後は、落下するに任せるのみです。
次に例えではなくてモデル図で表してみましょう。
踏み切り後の軌道をモデル化してみる
踏み切った後、最高高度に達した後はただ落下するだけです。
そして踏み切りから着地するまでは、「自分の重心の移動」と置き換えることができます。
いわばボールを放り投げて落ちてくるのと同じですね。
高校の物理で習う斜方投射です。
つまり重心がずれない限り落下位置は変わらないということです。
逆に言うと、重心をずらせば落下位置は変わります。
前方宙返りで記録は伸びるけど、禁止されている
走り幅跳びの空中動作で唯一重心をずらせる方法が空中で宙返りをする空中動作です。
この図を見ていただくと分かると思うんですけど、宙返りをする時に重心が少し前にずれています。
その結果重心が移動する軌道が変わって、落下位置が少し前になります。
つまり記録が伸びるということです。
先程の通常の跳躍モデルと比べてみると一目瞭然です。
2つの軌道を重ねるとこうです。
ここから何が言えるかと言うと、重心をズラさないかぎり空中でどれだけもがいても飛距離は変わらないという確固たる事実です。
それほどまでにこの重心をズラす空中動作は有用なのです。
が、これはルールで禁止されています。危ないので絶対にやめましょう(ちなみに期待値は60cmの記録アップのようです)。
ではここまで「ムダ」と断定しているにもかかわらず、なぜ皆空中動作を行うのでしょうか?
空中動作の目的は前回転を止めて着地しやすくすること
では飛距離が伸びるわけでもないのに、なぜ空中動作をするのでしょうか?
その理由は踏み切り時に生まれた前回転によって、なにもしないと顔面から砂場に突っ込んでしまうからですね。
なぜ突っ込むといけないかと言うと、理由は2つあります。
- 危ないから
- 足から着地できないのでロスしてしまうから
危ないのはそのままの意味として、ロスとはなんなのでしょうか?
こちらのページでも解説していますが、走り幅跳びの最大距離は自分と同じ質量、スピードの鉄球を最適角度で飛ばした記録です。
ではなぜ鉄球に負けるかと言うと、踏み切りでロスがあるのと、着地時にロスがあるという話はしました。
鉄球はどこから着地しても怪我しませんが、人間は脚から着地しないと怪我するからです。
そして足のほうが鉄球よりも確実に手前についてしまって、記録をロスします。
ロス自体を避けることはできませんが、足をより遠くへ放り投げることによってロスを減らすことはできます。
そのためには少しでも体制を整えて着地態勢に入ることが必要ですが、その邪魔をするのが前回転です。
良い姿勢で着地態勢に入るには、前回転が加わったままの姿勢では良くないです。
なのでそれとは逆向きの回転をかけて前回転を打ち消し、最も遠いい位置に足を投げ出せるような姿勢で着地を取りましょうということですね。
そのために空中動作です。
[topic color=”pink” title=”ここまでのまとめ”]
- 空中動作を頑張っても重心がズレないので距離は伸びない
- 空中動作によって前回転を打ち消して着地でのロスを減らすことはできる
[/topic]
では実際の着地動作をご紹介します。
各種空中動作をマスターする
走り幅跳びの空中動作は以下の三つの種類があります
- かがみ跳び
- そり跳び
- はさみ跳び(1回転半シザース)
- はさみ跳び(2回転半シザース)
それぞれ動画を見ていただくのが早いかと思いますので、動画をご紹介します。
また各々に合った空中動作があるのでこれは別途ページで解説していきたいと思います。
かがみ跳び
→【初心者は最も簡単なかがみ跳び】
そり跳び
はさみ跳び
1回転半シザース
2回転半シザース
→【スピードタイプの君にははさみ跳び】
まとめ
今日の記事で空中動作をいくら頑張っても記録が伸びないことをわかったかと思います。
走り幅跳びの記録を伸ばしたい場合は「助走スピードを上げる」それから「踏切の効率を上げる」。
この2点しかないので下の記事を参考に、スキル・筋力アップを目指してください。
【今日のまとめ】
跳躍距離は踏み切った瞬間に決まるので、踏み切り時の速度を上げるために助走スピードを絶対向上させよう!
[topic color=”green” title=”あわせて読む”]
参照:【保存版】走り幅跳び選手のための筋トレメニュー全集
参照:「もっと上に跳べ!」と言われるあなたが上に飛ぶために[/topic]
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