「親から見てもうちの子は走りが遅いと思う」
そういうときは一度腕振りを確認してみると良いかもしれません。
今回は小学生でもできる正しい腕振りをご紹介します。
本日の質問

内川
こんにちは、陸上アカデミアの内川です。
今日は子供の腕振りがオカシイという質問に回答していきます。

あなた
長男(3年生)がドタバタと音を立てるような
不細工な走り方なんです。
腕も横に振り見ていてこの子は間違いなく
走るの遅いよなとわかるぐらいです。
もっと足を上げて腕を真っすぐ振りなさいぐらいな
アドバイスしかできずどう教えてやればいいのか悩んでます。
何か的確なアドバイスは無いでしょうか?
今日はこの質問に回答していきます。
まとめると
- 小3男子
- 腕振りがオカシイ
- 親から見ても腕振りだけで足が遅いとわかる
- アドバイスの仕方がわからない
ですね。
ではここから回答していきます。
結論
【今日の結論】
腕を横に振ってしまうと肩がブレるので走りが遅くなる。
腕振りの模範解答をこのページで習得しよう!
正しい腕振りとはこれだ!
まずは一番気になる「正しい腕振り」の方法からご紹介します。
時間がない場合はここだけ見てください。
腕振りでポイントは肘、掌、腰の3つだけ
腕振りで注意するべきポイントは以下の3つだけです。
- 肘
- 手のひら
- 腰
です。
それぞれ解説していきたいと思います。
肘は90度で維持することだけ考えよう!
まずは肘ですが、気をつけるポイントは1点だけです。
唯一のポイント、それは
「角度を90度で維持しましょう」です。
腕の振り始め、振り終わり、どのポイントでも
肘を90度に維持して走れば、
とんでもなくオカシイ腕振りになることはありません。
肘の角度は常に90度
続いて手を振り上げる位置と握り方についてお話しします。
→【9割の体育教師も間違えている正しいスタートダッシュのコツ】
手を振り上げる位置と握り方
手に関してはポイントが2つあります。
まず握り方。
これはグーでもパーでもなくその中間です。
イメージは
卵を握って落とさず、
それでいて握り潰さずの力の入れ具合です。
次に手を振り上げる高さ。
手は自分の目の高さまで上げます。
つまり握っている卵を目で見て確認できるまで振るわけです。
卵を目の高さまで
肘を90°にして卵を握った手を目線の高さまで上げる。
ここまでできれば腕を振りすぎてしまったり、
腕振りが小さくなってしまうことはありません。
そして最後は腕をどこまで振ったらいいのかという話です。
腰横に生えているきゅうりを手の包丁でぶった切る!
腕をどこまで振ったらいいのか。
ここをきちんと決めておかないと、正しい腕振りは完成しません。
まず腰の横にきゅうりが生えてるとします。
そしてこのきゅうりを手のひらでぶった切ります。

腰横のきゅうり

手のひらで切る
きゅうりを切り終わったらすぐに腕を前に振り、
手に握っている卵を確認するために
目の高さまで持っていきます。
この間全て肘は90度です。
つまり腕振りをまとめると
腰横のきゅうりを掌の包丁で切る
▼
すぐに卵が割れていないか確認するために
目の高さまで持ってきて確認する
▼
確認したらすぐに次のきゅうりを切る
▼
切ったら卵が割れていないか確認する
▼
▼
▼
ゴールまで交互に続ける
この動き最後まで続けられたら
必ず正しい腕振りをマスター出来ています。
正しく腕を振らないといけない理由は、走るのが遅くなるから
ではなぜ一体腕を正しく降らなければならないのでしょうか?
なぜこれほどまで腕振りにこだわるのでしょうか?
その答えは「走るのが遅くなってしまうから」のみです。
見た目の問題ではありません。
先ほどの正しい腕振りと対称なダメな腕振りをご紹介します。
ダメな例はたくさんありますが、その中でも一番ダメな
「横に振ってしまっている例」です。
ご覧のように腕が横に振れていると、
腕だけではなくて肩も振れてしまいます。
肩が振れるということは、肩が前後に動いてしまうということです。
結果的に腰もねじれてしまいます。
そうすると足が思うように進まなくなって
走るのが遅くなってしまいます。
なので正しい腕振りを習得することはタイムの向上に直結します。
50mを速くしたかったり、リレーの選手に選ばれたい場合は
きちんと正しい腕振りからマスターしていきましょう。
→【リレーの選手になるには周りより速く成長する必要がある!】
絶対に正しい腕振りはないけれど、腕振りの模範解答ならある
と、ここまで話をしておいて申し訳ないのですが、
正しい腕振りというのはありません。
日本一の腕振りはオカシイ
例えば世界陸上の100m決勝を見ても、
日本選手権の100m決勝見ても、
皆が様々な腕ふりをしています。
私が知る中で最も特徴的な腕振りをするのは
女子100mの日本記録保持者の福島千里選手です。
彼女はこれまでに存在した日本人女性の中で、
最も100mが速い腕振りがこれです。
右腕を上まで振り切っていないですね。
振り切っていないので腕振りの模範解答とは異なりますが、
ダメな例のように肩は持っていかれていないですね。
ただ単に肘から下を横に振ってるだけです。
(彼女なりのリズム取りらしいです。)
しかし当然ながら日本一のフォームがこれだからと
真似しても速くなるわけではないですね。
あくまで模範解答があって、
その延長線上に応用で個性があるわけです。
模範解答と個性の関係
模範解答の延長線上にある腕振りは、
模範解答から外れていても「個性」となりますが、
間違った腕振りの延長線上にある腕振りは
「ただの間違った腕振り」です。
速く走れないのであればそれはなにかが間違っています。
そもそも腕を振る理由は?ー腕は加速装置だ!
ちなみにそもそも何で腕を振るかという話なんですが、
加速するためです。
腕とは加速装置です。
スタート時点で速度は全くないですね?
ここから速度を生み出すために
加速装置である腕を使って進むわけです。
つまり速度が上がった後半になるにつれて、
腕の重要度というのは下がってきます。
トップスピードに達した後は
それ以上自分の速度は上がらないので、
後半にどれだけ腕を大きく振っても
速く走ることはできません。
この場合、腕振りによって生じる減速を抑えることが
速く走るコツです。
しかし小学生でそこまで考える暇はないので、
50m程度であれば全力で腕を振れば良いかと思います。
今日ご紹介した正しい腕振りをきちんとマスターして、
是非とも50mのタイムを上げてみてください。
まとめ
【今日のまとめ】
正しい腕振りをマスターすると必ずタイムが上がるので、
自宅でも練習してみよう!
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