走り幅跳びを初めて日が浅い場合、
「踏切足はどちらがよいのか?」という悩みを
持つことが多いかと思います。
踏切足の模範解答は「跳びやすい脚」がいいけれども、
実は左足踏切のほうが跳べるらしいですよ。
本日の質問

内川
こんにちは、陸上アカデミアの内川です。
今日は走り幅跳びの踏切足に関する質問に回答していきます。

あなた
走り幅跳びの踏み切り足についてです。
走り幅跳びの踏み切り足って
利き足とは逆の方が記録よくなるんですか?
僕は右が利き足でずっと右で跳んでたんですが、
こんな話を知って逆足で跳んでみようか迷ってます。
今日はこの質問に回答していきます。
まとめると
「利き足と逆足で跳んだ方が記録は良くなるのか?」
ですね。
ではここから回答していきます。
結論
【今日の結論】
どちらの足でも問題ないが
バイオメカニクス的には左足踏切のほうが跳べるらしい
ではなぜ「どっちでもいいが、
左足のほうが跳べるらしい」という
回答になるかを解説します。
どっちの足で踏み切るのがよいか?
小学生や中学生で走り幅跳びを初めてすぐの場合
「どっちの足で踏み切ったほうがいいか?」
と悩むことがあるかと思います。
この疑問への基本指針をお伝えします。
基本的には踏切しやすいほうの足がいい
走り幅跳びは全力で走って跳ぶ種目なので、
基本的には跳びやすい脚がオススメです。
ただ、こんな方もいるかと思います。

あなた
それがわからないから困っている!
(残念ながら内川自身「ジャンプなら右足でしょ!」と
思い込んでいたので、悩んだことは一度もありませんでした。)
そういった方はこの「跳びやすい脚を検証する方法」で
調べてみてくださいね。
跳びやすい足を調べる方法
- 全力で走る
- 場所を決めずに跳ぶ!
- そのとき無意識でどちらの足で跳んだかを確認する
- 3回ほど繰り返してどちらの足の割合が多いか、
どちらが跳びやすいかを調べる
このやり方でなら
「自分は無意識ではどちらで跳ぶのか?」が
明らかになるので、
踏切足が決まっていない方は
「跳びやすい足」の能力を伸ばすことをオススメします。
ボールを蹴る足とは逆足のことが多い
ここまでで踏切足の調べ方をお伝えしましたが、
これとは別によく言われる踏切足の調べ方をご紹介します。
それは「サッカーボールを蹴る足とは逆足」です。
理由はサッカーボールを蹴る際には
蹴る足と逆足で全力で踏み込みます。
これはいわゆる軸足と呼ばれ、
この踏み込む動きが踏切動作の途中までの動きと
似ているからです。
なのでボールを蹴る利き足が右の場合は
左足踏切が多いです。
各局面における踏切足(内川の場合)
ここまで堂々と紹介して大変恐縮ですが、
実はこの判断方法が
すべての人にあてはまるわけではありません。
あくまで目安です。
実際に私は右足が利き足で踏切も右足です。
幼少期にサッカーも習っていたので
思いっきり右足で蹴ることはできます。
よって力強く左足で踏み込むこともできます。
しかしこと走り幅跳びとなると、
左足で踏み切ることはできません。
この動作を脳内でイメージすることも難しいです。
左足で踏み切るというのは、
私の中ではそれほど不自然で気持ちが悪いことなのです。
ちなみに私の利き足事情ですが、このようになっています。
ご参考までに。
- サッカー:利き足は右
- 走り幅跳び:右踏切
- 三段跳び:右→右→左
- 走り高跳び:右踏切
- ハードル:右踏切
基本的に右しか使わないですね。笑
このようにすべて右足だったり、
それぞれ別だったりする場合があります。
こればかりは絶対の正解があるわけではなく、
実際に力を発揮しやすい足で跳ぶのがオススメです。
大切なのは「ジャンプしやすい足で踏み切ること」です。
バイオメカニクス的には右足はブレーキ、
左足はアクセルの役割を果たす
ここまでで「踏切は跳びやすいほうの足がいいよ!」
ということを説明してきましたが、
実はバイオメカニクス的にいうと
踏切足には模範回答があります。
理由は両足の役割が異なるからです。
左足の役割はアクセル
まず左足はアクセルの役割を果たします。
つまり自分を前に進ませるエネルギーを
生みたい局面でのジャンプは左足がよいということです。
例えば以下のような局面が考えられます。
- 走り幅跳びの踏切
- 三段跳びのホップ→ステップ
- ハードルの踏切
こうした蹴った後、前に進みたい場合
(陸上競技はほとんどが前に進む競技ですね)は
左足で力を発揮するべきです。
右足の役割はブレーキ
次に右足の役割はブレーキです。
つまり自分にストップをかけて
上向きのエネルギーに変えたい場合は右足がよいということです。
たとえば次のような局面が考えられます
- 走り高跳びの踏切
- 投擲種目のラスト1歩
足ではなく股関節が役割の違いを生む
ここまでではわかりやすくするために「足」をメインに
考えてきましたが、本当に役割が異なるのは股関節です。
つまり左股関節は前方向への力を生み出し、
右股関節は後ろ方向への力を生み出しているということです。
よって左股関節を回旋させる左足踏み切りの方が
前方向への力を生み出しやすいということになります。
ただしあくまでも「そのほうが理にかなっている」
というだけなので、無理して変える必要はないです。
実際に内川も走り幅跳びの踏切は
理にかなっていない右ですが、
7m跳んで全国7位になっているので大丈夫です。
この左右の足の役割の違いについては
この本に詳しく書いてあります。
※概ね納得できる内容だが、
所々推測や決めつけの部分があるので注意が必要。
例えばこんな箇所
- 特に幅跳びに関しては、
ほとんどのアスリートが左足で踏み切っている - 三段跳びも最初のホップは、
ほぼ例外なく左足で行われる。
(左足重心で運動能力は劇的に上がる!ーP141より)
まとめ
どちらの足で踏み切るかよりも大切なのは
「助走スピード」と
「いかに減速しない踏切をするか」です。
最初に踏切足を決めたら、
あとはもっと大切な要素を伸ばすことに
リソースを注ぎましょう。
【今日のまとめ】
バイオメカニクス的には左足踏切がよいが、
最も大切なのは気持ちよく踏み切れること
コメント
コメント一覧 (3件)
はじめまして、私も高跳び幅跳び 右足踏み切りでした、高校の時全高ランク80位、ダメではないだろうけど凄い事もなく中途半端(笑)ですが、高跳びの右足って少ないですよね、右手の対角線の左足が正常と思ってました、手が左利きじゃないのに右足踏み切りの私は変なのかと思ってました、それで利き足の事を自分なりに調べたらほとんどの人は右足だと、、、踏み切り足って?利き足って?利き手って?私って?あーなんだか解らない、寝れなくなりました(T_T)
はち様
>>高跳びの右足って少ないですよね、
僕も幅、高どちらも右足です。
が、バネ的なことを考えると両方出るのであれば左右分けたほうが良いのも事実ですよね。
>>それで利き足の事を自分なりに調べたらほとんどの人は右足だと
これはどこソースですかね。
幅の試合見ていると体感として左足踏切が多いように思います。
すいません、書き間違いしてます、ほとんど人が左足踏切のまちがいですm(_ _;)m、右手が利き手で、その対角線の左足が利き足かと……