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誤った善意のアドバイスほど厄介なものはない~そのアドバイスは誰がどういった根拠でしたものなのか?~

※2023/10/01にサイト改修を行ったためデザイン等崩れている箇所がありますが、順次修正予定です。

日々レッスンや体験レッスンをしていると毎日のように同じ説明をすることがあります。
これはコーチという特性上仕方ないことなのですが、同じ説明をする必要があるということは、それだけ多くの人が同じ間違いをしているということです。

なので、何度も説明していることに関しては、事前にブログにまとめておこうとおもいます。

今日は「つま先では走れない」ということについてです。

具体的な内容をご紹介すると内股なんですという相談です。

この内股に関しては2つのケースに分けられます。

  1. 生まれつきの骨格的に内股
  2. 歩き方の問題で内股になり、その後足の向きも変わってきている

稀に1.の方もいますが、相談にいらっしゃる方のほとんどは2.です。
そして更にそのほとんどがサッカーをしています。これは一体なぜなのでしょう。

その理由はサッカーが走るスポーツなのでそのパフォーマンスを上げるために走りを速くする必要があり、その過程で本人以外の誰かが「つま先で走る」という誤った走り方を教えているからです。

これは僕も保護者様からよく聞くのですが、サッカーチームや学校の体育の先生、果ては保育園幼稚園の先生から、「つま先で走る」と教えてもらったということです。

断言しますが、それは不可能です。

まず、人間の足の役割から具体的に解説していきます。

人間の足の親指と小指にはそれぞれ役割があります。
さて、ここで質問です。
親指と小指、どちらかがアクセルでどちらかがブレーキなのですが、どちらがどちらでしょう?

これは電車に乗るとわかります。

今あなたも電車に乗っており、正面方向に進んでいるとして、つり革に捕まるふりをしましょう。
そこで急ブレーキがかかりました。
前につんのめらないようにしなければなりませんが、その時あなたは親指に力を入れますか?それとも小指に力を入れますか?

実際にその場で上半身を前に倒した状態で、親指、小指にそれぞれ力を入れてみてください。

どちらが前に倒れそうになるのを防げましたか?

答えはこちらをタップ

正解は親指です。
ちなみに小指に上手く力を入れると前に進みます

ということは、

  • 親指はブレーキ
  • 小指はアクセル

の役割があるということです。

では次の内容です。
実際に「内股です」という子の歩き方を前から撮ってみるとこのようになっています。

これは内股というより、「身体の真下でつま先から地面に刺さっている」という表現が適切ですよね。

そうなんです。

内股が問題というより、「身体の真下でつま先が地面に刺さっていること」が問題なのです。

つま先から地面に刺さるということは、親指と小指のどちらから地面につくでしょうか?

もちろん親指です。

従って前に速く進みたくて走っているにも関わらず、毎回身体の真下でブレーキを掛けながら進んでいることになります。

これでは速く走れるはずがないですよね?

それから問題はもう1つあります。

つま先から接地しようと意識した場合でも、本当の先っちょだけ接地をするつもりではありません。

下記の図のように、接地するにしても靴の前面(5本の指先)を均等に接地する形をとります。
足をそのまま着くと人差し指▶中指▶薬指▶小指の順で後ろに下がりますが、それでは親指、人差し指あたりでしかつけませんので、全てで着こうとすると結果的に足首を内側に捻ることになります(内旋)。

この足首の内旋は膝関節と股関節の内旋にも繋がり、結果的に股関節から下がロックされます。

ちょっと何言ってるかわからないかもしれませんが、そのまま歩くのと、足首を内側に捻って歩くのでは、足首を捻った方が脚が前に出にくいのがわかると思います。

つまりつま先から着こうとすると

  1. 親指から着くのでブレーキがかかる
  2. 脚にロックが掛かり1歩が短くなる
  3. 加えてつま先から着くので進行方向に対してマイナスで接地してしまう

という3重のデメリットがあります。

なのでそもそもの骨格的問題でどうしても内股になってしまうという、使い方の問題ではなく外科的な問題出ない場合は、基本的に「かかとから接地する」ということを教え、それを習慣化することによって内股問題は改善できます。

そもそもつま先から接地するというのが、物理的にオカシイ現象なので、「まずは誤ったことをしない、教えない」というのが正しく走るための最重要事項です。

歴代のオリンピックレコードの動画を速度落としてみてみても、加速局面で足の前部分で接地しているケースはあっても、誰一人としてつま先から接地している選手はいません。

ということで、誤った情報を鵜呑みにしていると、ゴール(速く走る)に対してマイナスに働くこともあるという事例でした。

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