スポーツドリンクは少し薄めるか、そのまま飲むと吸収率が高まる
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今日は、スポーツ栄養学について話していきます。
運動中や練習、試合中にパフォーマンスを発揮したい時何のドリンクを飲んだらいいのか、また市販のスポーツドリンクを買ってそのまま飲んでいいのかという話をしていきたいと思います。
目次
本日の質問
[lnvoicel icon=”https://rikujou-ac.com/wp-content/uploads/2020/10/IMG_20201022_094603-scaled.jpg” name=”内川”]
こんにちは、陸上アカデミアの内川です。
今日は「スポーツドリンクの飲み方」についてお話していきたいと思います。
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スポーツドリンクは薄めたほうがよいと言われてますが500mlのスポドリにどのくらいの水を薄めればよいのですか?
今日はこの質問に回答していきます。
まとめると
- スポーツドリンクの簡単に作り方が知りたい
- スポーツドリンクは薄めたほうが良いのか?
ですね。 ではここから回答していきます。
スポーツドリンクは薄めた方が良いのか?
僕は小学生の頃はサッカーを地元のチームでやっていて、公立の中学校で陸上競技の部活に所属してたんですけどそこで「スポーツドリンクそのまま飲んじゃ駄目。と言われていました。
ではどうするかというと「半分ぐらいに薄めて飲みなさい。」ということで、その理由はそのほうが吸収が良くなるからみたいなことでした。
今生命科学などを学んで実際に、身体の中でエネルギーがどうやって吸収されるのか、というところが分かった状態の僕が、それが果たして正しいのかどうかということを解説していきたいと思います。
これ実際に現役時代の頃の自分に教えたかったてことなんですよね。
内容は2つあって、濃度と中身です。
濃度は濃さを薄めた方がいいのか、そのまま飲んでいいのかというところ。
中身に関しては何が含まれているものを飲んだ方が良いのかってことですね。
今回はトレーニング中に飲んだ方が良いものをお伝えしていきますが、また別の記事でパフォーマンスを上げる、例えば、試合でパフォーマンスを上げるためにはこれが入っているものを飲んだ方が良いよということもお話していこうと思います。
とりあえず、今日は練習中にバテないための 2時間とか3時間とかトレーニングする上でバテないようにするためのドリンクということを話していきたいと思います。
濃さについて
まず濃さについて。濃度ですね。
結論から言うと、そのまま飲んでいいか、飲んじゃいけないかでいうと飲んでいいです。
例えば自販機で売ってるアクエリアスやポカリスエットはそのまま飲んでも大丈夫なように、そもそも設計されて作られています。
僕も小学生とかながら思ったんですけど、コカコーラとか大塚製薬とかちゃんとした研究員が作ってるわけじゃないですか?
それがもともと薄めなきゃいけないような濃度で作ってあるわけがない、と思ったんですよ。
まさにそうでそのまま飲んでも大丈夫です。
そのまま飲んでいいのか飲んじゃいけないのか、薄めたほうがいいのかっていうのに関して言うと、濃度の問題なわけで、浸透圧を考えなければならないです。
浸透圧はおそらく中学校の理科で習った気がするんですけど、専門的にあるのはおそらく高校の化学ですね。
高校の化学を学んでいない人もいると思いますし、もちろん中学生とか知らないと思うんで解説すると浸透圧とはざっくり言うと、濃いものは薄まるよということです。
浸透圧とは濃いものを薄める力
どういうことかというと、今目の前に水槽があるとします。
その水槽に海の水を入れます。
そして反対側に水道水を入れると混ざりますよね?。
すると海水よりはしょっぱくなく、水道水よりはしょっぱい水が出来上がります。
これはそのまま混ぜるので当たり前なんですけど、真ん中に膜のようなものを入れて、膜の片方に海水、片方に真水を入れるとします。
物質の最小単位である分子が(水も結局小さな粒でできている分子なのでその粒が)行き来できるくらいの穴が開いてる膜を入れた時にどうなるかと言うと(この場合水分子は膜の穴を通れ、海水の成分である塩化ナトリウム分子(厳密に言うとイオン化しているのでNa+とCl-)は大きいので穴を通れないとします。)、その場合も同じで濃いものは薄まろうとしますし、薄いものは逆に濃くなるわけです。
つまり海水と真水が同じ濃度で混ざるってことです。
それのどこが「圧力」なのかというと、濃度を合わせるため薄い方から濃い方に水分子が移動します。
その際に何も力が加わっていないとその状態を保とうとするため、水分子を高濃度方向に押し出す力が働き、これが浸透圧の「圧力」の部分というわけです。
(ちなみにこれはなめくじに塩かけると縮むあれの原理です。)
私達の身体で言う浸透圧とは
なんでその話になるのかと言うというと、人間の消化吸収過程に注目するとその答えが見えてきます。
僕らの身体は水を飲みます。
その時にどこで吸収されるかというと、口じゃないですよね?
喉を通る食道でもない、胃と小腸で水分は吸収される。
なのでまさに今の水槽の話になるわけです。
水槽があって水が入っていて、膜があって、反対側にも水があるという先程の状況と全く同じなわけです。
どういうことかというと人間の身体でいうと胃があり、食べたものがたまります。
胃の外側は体の中ですよね。つまり細胞なわけですよ。
吸収されるということは、胃の膜を例えばポカリスエットが通っていくということでし。
これがまさに、先程の「混ざり合う」という話であるわけです。
飲んだものの濃度が高すぎると、体の中に入っている細胞液という僕らの体を満たしている水が流れ出しちゃうわけです。人間の体は7割が水でできていますので。
これが胃だったら問題はないんですけど、小腸だとすると小腸から水が出てきちゃうと、結局下痢になるってことなんですよ。
それを防ぐために1番良い手段は身体の中の水分濃度と塩分とかの濃度が同じようなものを摂ると吸収がされやすいということがわかっているんです。
これが体液と浸透圧が同じものが吸収されやすいということの意味です。
例えばポカリスエットのCMで「我々の体に成分が近い」ということを謳っているのは、まさにこの浸透圧の話です。
成分がほぼ同じなんだったら、膜をそのまま通過するということです。
でもこれが濃かったり薄かったりすると、上手く吸収されにくいということですね。
胃と腸では吸収されやすい浸透圧が異なる
ここまでで「浸透圧は身体と同じがいい」ということを話してきましたが、実はそれが全くの正解というわけではありません。
どういうことかというと、胃でいうと同じ浸透圧のほうが吸収されやすいんですが、小腸だとちょっと浸透圧が低い方が吸収されやすいことがわかっています。
我々の身体では胃と小腸の両方で水分を吸収しないといけないですよね?
つまりどちらかに合わせるしか無いわけです。
どっちにも吸収されやすい方法を考えると、少し浸透圧低い飲み物が最適な吸収率であるという結論が出せるわけです。
実際のスポーツドリンクでみる浸透圧
等張性と低張性について
実は浸透圧が体液よりも高い、低いによって専門的な名前がついています。
等張性ということで同じくらいの浸透圧ということなんですよ。
胃で吸収されやすい、浸透圧が身体と同じぐらいの飲み物、これをアイソトニックといいます。別名等張性ですね。
一般的に売られているものでどんなスポドリがアイソトニック飲料かと言うと、以下の様なものです
あたりです。
逆に薄いもの、これをハイポトニックといいます。別名低張性です。
これがどんな飲料かというと、
なんかが当てはまります。
これらを何で見分けるかというと、100mlあたりに入っているブドウ糖の量です。
ブドウとか糖質の量で見分けるというわけです。
なので、アクエリアスよりアミノバイタルの方が糖質が少なく、浸透圧が低い。
逆にアミノバイタルと比べてアクエリアスとかポカリスエットとかは糖質の量が多いわけです。
で、ここまでは浸透圧が人間の身体と同じか低いかの話でした。
実は浸透圧が高いやつも売ってるんですよ。
経口補水液について
浸透圧が高い、これが何かって言うとOS-1等の経口補水液です。
あれは積極的に塩分とかを我々の体に入れなきゃいけないんで、浸透圧が高い作りになっています。
これは運動が終わった後に飲まないと浸透圧が高すぎるので、なかなか吸収されないわけですね。(運動後は脱水状態になっているので、通常時と比べて水分子が少ない→濃度が高い状態なので浸透圧の高い経口補水液も吸収されやすくなっている)
なので運動中は なるべく浸透圧が少し低めのもの、もしくは等しいものを飲んで、運動が終わったあともし脱水気味とかになってしまったときは経口補水液などを利用するといいということです。
結論
スポーツの練習前と練習中にはハイポトニック飲料またはアイソトニック飲料を飲み、練習後に脱水気味になってしまったら経口補水液を摂取せよ。
次回は運動のパフォーマンスを上げるために接種したい成分とその条件を満たすスポーツドリンクの自作方法をご紹介します。
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