本日の質問

こんにちは、陸上アカデミアの内川です。
今日は「総運動量が少ない現代の子供はたくさん走らせておけば足が速くなるのか?」ということについて
お話していきたいと思います。

小2の息子の足を速くしたいのです。
現在塾やその他の習い事はしていますが、
運動時間の総量が少ない気がしています。
ブログで紹介されている理論的な練習方法もわかるのですが、
別に陸上選手になるわけではないので
そこまで理論的に行う必要があるのか疑問です。
現在の子供は総じて運動量が少ないので、
1時間や2時間ヘトヘトになるまで走らせるほうが効率的だと思うのですが、
いかがお考えでしょうか?
今日はこの質問に回答していきます。
まとめると
- 小学2年生の息子
- 運動量が少ない(と感じている)
- たくさん走れば足が速くなると思う
ですね。 ではここから回答していきます。
結論
たくさん走らせた結果足が速くならない子が陸アカに流れてきますが、
それでもたくさん走らせたければどうぞ。
現在の子供は運動量が減っているのか?
まず、そもそも子供の運動量は本当に減っているのか?
ということを見ていきたいと思います。
これは内閣府のサイトを参考に議論してみましょう。

この表は小5と中2における1週間の運動時間(体育の授業を除く)を
時間ごとに区分したものです。
正直どこを見ても誤差の範囲内に収まると思います。
なのでここからわかることは、
「この10年で子供の運動量は大して減っていない」ということです。
とは言え20年,30年前と比較すると
減っている可能性は大いにあります。
まあこの調査自体が10年分の結果しか出ていないので、
20年、30年前と比べることはできませんが、
肌感覚としては運動時間は減っているのでしょう。
では、減っている運動機会を補えば足は速くなるのか?
運動機会は2極化している
これは断言できますが、否です。
理由は週5,週6でスポーツを習っていても
速く走れずにかけっこ教室に通う子がいるからです。
運動機会が増えれば足が速くなるのであれば、
平日2時間、休日3時間の週6でサッカーしている子は、
1週間で840時間運動していることになります。
とすると先程の表ではぶっちぎりで緑枠ですし、
20年前、40年前と比較しても
明らかに運動している部類に入ります。
でも、かけっこ教室に通うわけです。
理由は速く走れないから。
速く走れない理由は運動機会ではない
これは昭和57年から平成29年度までの
50m走のタイムの遷移です。

これを見ると、平成12年付近で少し落ちていますが、
その他は大きくタイムが落ちているということはないです。
つまり35年もの長期間で見ても、
50mのタイムは落ちていないということがわかります。
落ちるというのはこういうわかりやすい形になります。

つまり冒頭の「今の子供は運動量が少ないから足が遅い」というのは
間違った仮定ということになります。
では一体なぜ速く走れないのか?
結局「走りを教えない」ことが原因
はい、これが結論です。
走りを教えないからです。
昔から速い子は速いし、遅い子は遅い。
これが事実です。
ですが遅い子は「足が遅い身体」なのではなく、
「速い走り方を知らないだけ」なのです。
だったら「速い走り方を知れば速くなる」わけです。
なので「陸上アカデミアでは走り方を理論的に教える」わけです。
ここで冒頭の「陸上選手になるわけではないから
そんなに理論を学ばなくてもいい」ということについてですが、
そういう親に大して

では将来学者になるのではないなら、
勉強も解法じゃなくて答えだけ暗記していればいいですよね?
というと顔を真赤にして否定すると思います。
そう、結局物事を理解するには
体系的に学ぶしかないわけです。
つまり上達するためには「しっかり学ぶ」or「学ばない」の2択です。
そして「学ばない」ではなく「学べない」という子がほとんどなので、
「遅い足が速くなることはない」という現実だけ
受け入れている子が非常に多いということです。
その現実を変えるには、たった1つ
「走り方を学ぶ」、これだけなのです。
まとめ
長く事実を挙げながら解説してきましたが一言でぶった斬ると、
20年間走ってきて結果も出した内川が断言しますが、
「たくさん走るだけでは足は速くならない」・
これが結論です。
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