跳躍力、スプリント能力を高めたいなら
立ち五段跳びの記録を伸ばしたほうがいい。
全国大会レベルを目指したいのであれば
最低でも15mは跳べるようにしたい。
そのためのコツ、練習方法を完全解説しました。
本日の質問

こんにちは、陸上アカデミアの内川です。
今日は立ち五段跳びに関する質問に回答していきます。
ちなみに質問頂いた動画はこちらです。

はじめまして、こんにちは
沖縄20代です。
腕振りについて悩んでます
動画あげるのでよろしくお願いします🙇♂️
ここ2年ほど悩んでます!
今日はこの質問に回答していきます。
まとめると
【質問のポイント】
- 高校1年男子
- 走り幅跳び専門
- 立ち五段跳び11m20
- コツやトレーニング方法を教えてほしい
ですね。
ではここから回答していきます。
結論
【今日の結論】
立ち五段跳びはスプリント能力と
相関関係があるので、
記録向上の目安として高めろ!
ではなぜ「立ち五段跳びの記録を上げれば
陸上競技の記録は理論上上がる!」という回答になるかを解説します。
立ち五段跳びとはこれだ!
まず初めに立ち五段跳びが何かわからない方向けに
立ち五段跳びとは何かを解説します。
「そんなんはわかってるからさっさと記録の伸ばし方教えてくれ!」
という方はこちらをタップすれば、
記録の向上方法紹介部分に飛びます。
まず、立ち五段跳びはこれです。
1歩目は立ち幅跳びと同じですが、
以降は生じた勢いを減衰させずに4歩跳びます。
ポイントは
- 地面を大きな力で押すこと
- 生じた勢い減衰させないこと
です。
大きな力を地面に加えられたとしても、
これまでの勢いを失ってしまっては
遠くへ跳ぶことができません。
なのでどちらの能力も必要ですし、
これは別々で鍛える必要があります。
立ち五段跳びはあくまでも手段なので目的ではない
ここで必ず押さえておかなければならないことがあります。
それは「立ち五段跳びの記録を上げることが
目的ではない」ということです。
よくいるタイプは

よし!立ち五段跳びの記録を
全力で上げるぞ!
と意気込んでしまう方です。
間違いではないですが、
手段と目的をはき違えてはダメです。

あなたの目的はなんですか?

100mを速く走ることです

そう、ここからブレてはいけないんです

例えば毎日めちゃめちゃ立ち五段跳びを練習して
半年後に15m、16m跳べるようになったとしましょう

しかし彼はその能力を100mに活かせず、
100mの記録は半年前と変わらず12秒台です

彼は幸せですか?

なら走り幅跳びに転向すればいいじゃないか!

いいえ。
走り幅跳びの記録の上限はスプリント能力で決まるので、
幅跳びに転向しても彼は輝けません
つまり立ち五段跳びの記録を上げることは重要ですが、
記録が上がって満足してはいけないということです。
記録を向上させるのは前提として、
その後にきちんと上がった能力を走りや跳躍、
投擲に活かさないといけないということです。
立ち五段跳びの記録を向上させるための練習方法
では最後にここまでの内容を踏まえて、
どうしたら立ち五段跳びの記録が向上するかとご紹介します。
初めにご紹介した立ち五段跳びの2つのポイントは
覚えていますでしょうか?
ポイントは
- 地面を大きな力で押すこと
- 生じた勢い減衰させないこと
です。
つまり、「地面を押す」と「勢いを活かす」の
2つを鍛えなければならないのです。
そしてこの2つは同時に鍛えるより、
別々で鍛えたほうがよいです。
どういうことか?
2つの能力は別々で鍛えて立ち五段跳びで能力をミックスせよ!
例えば立ち五段跳びが12mしか跳べないとして、
それがなぜ悪いのかわかりますか?
正直私もこの情報だけではわからないです。
しかしここに追加で
立ち幅跳びの記録が2m00という情報があったとします。
するとこの人は立ち幅跳びの記録が低いので
立ち五段跳びの記録も低いということがわかります。
つまり彼は「勢いを活かす能力」を鍛えるのではなく、
「地面を押す能力」を鍛えなくてはならないわけです。
この「1歩の力を鍛える」上で、
連続でジャンプをすることは必要ではないですよね?
立ち幅跳び2mしか跳べないのに、
立ち五段跳び17m跳べるわけないです。
1回のジャンプで2mなのだから
自分の能力の限界を超えてしまっているわけですね。
だったらもっと有効な手段があるのではないかと思うわけです。
1歩の力を鍛えるのであればウエイトトレーニングが一番
「1歩の力を鍛える」上で実際に有効な手段は
このブログでさんざん解説している「ウエイトトレーニング」です。
なぜなら「1歩の力」というのはまんま「筋力」だからです。
単純に最大筋力が上がれば、
1回の動作で発揮できるエネルギーが増えます。
1回の動作で発揮できるエネルギーが上がれば、
1回のジャンプで発揮できるエネルギーも大きくなるので、
結果的に遠くまで跳べるようになります。
発揮できるエネルギーが上がる
↓
1回のジャンプでのエネルギーが上がる
↓
遠くまで跳べる
つまり「立ち幅跳びの能力を上げるには
ウエイトトレーニング一択」です。
立ち幅跳びの能力を高めたあとはテクニックを上げろ!
こうして立ち幅跳びの能力を上げた後は、
そのジャンプ力を立ち五段跳びに転用しなければなりません。
しかし仮に立ち幅跳び2m50で立ち五段12m50だったら、
それは勢いを活かせていないので
筋力ではなくテクニックが足りません。
立ち五段跳びのテクニカルな部分を要素分解して
練習方法を考案し、実践したことによって記録が向上した
という珍しい個人研究があったのでこちらを参考にしたいと思います。
研究概要
まず被験者Aの記録は
1か月間で14m33から14m90まで伸びました。
練習方法の考案は三段跳び選手Bの立ち五段跳び(17m06)
映像を参考に、自身の跳躍との差異を分析し、
その差を埋められるように実施しました。
これがAとBの跳躍のモデル図の比較です。

分析の結果、差異は次の3点でした。
- アクセントの上拍と下拍の違い
- 空中での「間」の有無
- シザースの有無
それぞれを解説します。
1.アクセントの上拍と下拍の違い
跳躍運動では運動リズムの拍子づけを高める箇所が
重要であると言われており、「上拍」と「下拍」に分けられます。
それぞれの特徴はこうです。

●上拍
接地脚のキック後半(接地脚の伸展動作)に
拍子づけのアクセントが置かれている
●下拍
接地脚の地面キャッチの瞬間にアクセントが置かれている
そして下拍の方が動作の先取りや
弾性エネルギーの活用等で有利です。
2.空中での「間」の有無
続いて空中での「間」があれば
跳躍距離を伸ばせることがわかります。
この「間」を具体的に説明すると
空中で跳躍を分節して『間』を作ります。
その後接地脚を前方へ差し出すと同時に
自由脚を後方へ動かしていることがわかります(①-②)。

この「間」を自然に作れることが大切なようです。
3.シザースの有無
まずと被験者Aと熟練者Bの接地脚の動きの違いを確認しましょう。
熟練者は接地脚を前方へ足を差し出すと同時に
自由脚を後方へ動かしています。
そして「間」を作る動きの反動的に用いて
接地脚を後方に切り返して積極的着地(引き戻し)を行うと同時に、
自由脚を前方へ振り込み両脚による「挟みつけ(シザース)」を
行っています。

この3つの差が熟練者と初級者を分けているわけです。
最後にこうした差異を克服するために考案された練習メニューを紹介します。
3つの差異をクリアするための7つのステップ
<加筆中>
立ち五段跳びの結果が1か月で57cm伸びた
こうした練習を1か月継続したところ、
立ち五段跳びの記録が57cm伸びたようです。
立ち五段跳びの記録はスプリント能力と直結するということが
わかっているのであれば、跳躍距離という明確な指標を持って
練習できるということです。
ここまで成長が見える化されているトレーニングはあまりないので、
きちんと立ち五段跳びの能力を向上させましょう。
まとめ
【今日のまとめ】
スプリント能力と相関関係にある
立ち5段跳びの能力は要素分解して練習すれば
段階的に高められるので、計画的に練習せよ!
コメント