「幼稚園児、保育園児のうちから
スポーツが好きな子に育てたい!」というあなたのために、
300組以上の親子の体験レッスンを実施してきた
かけっこ教室コーチが、
見事運動好きに育てた家庭が
どんなことを実践していたのか解説していきます。
この記事を隅々まで読み込めば
「子供が自分から運動を好きになって、
放っておいても練習をしだす状態」まで
導くことができます。
ぜひスポーツ教育の参考にしてください。
本日の質問

こんにちは、
陸上アカデミアの内川です。
あなた
幼稚園年中男子で
走ることが好きになってもらいたいんですが、
5歳なんでなかなか難しいです。
1ヶ月ぐらい前から毎日500~1000メートルほど
息子と走ってます。
時には眠いのかぐずるため
そのときはサッカーして走らせてます。
本人は別に足が遅いわけではないし、
疲れるのが単に嫌なだけなんだとは思いますが、
この1ケ月いろいろして付き合って走ってきました。
なんか良い方法はないでしょうか。
別に目標はアスリートになるわけでもなく
スポーツが好きになってもらいたいです。

今日はこの質問に回答していきます。
まとめると
- 幼稚園年中男子
- 1ヶ月前から毎日500~1,000m走らせている
- 嫌がることがあるとサッカーをして走らせる
- スポーツを好きになってもらいたい
- なにかいい方法がないか
ですね。
ではここから回答していきます。
結論
【今日の結論】
無理やりやらされたことは必ず嫌いになる。
好きになってもらいたいなら、
まずは自分が楽しそうに行い、
そこに興味を持ったら巻き込んでいく。
ではそれぞれ解説します。
陸上アカデミアのレッスンは
基本的に小学生からの理由
今日の質問に回答する前に、
陸上アカデミアのレッスンの話をしたいと思います。
というのも、
ちょうど先日体験レッスンの申し込みが来たんですけど、
兄弟(小学生と幼稚園生)のでの申し込みでした。
で、基本的に体験申込みページには
「小学生以上」と書いています。
しかし、「幼稚園生でもいいですか?」という問い合わせも
結構来ます。
もちろん幼稚園生でやりたいという子がいれば
もちろんレッスンはしていますし、
実際に通って下さってる幼稚園生も何名かいますが、
いくつか注意点が必要で
その点は事前に保護者様と相談の上
通っていただいております。
幼稚園児、保育園児の理解度と意志力では
フォームを変えるのはなかなか難しい
そもそも何で小学生以上にしているかって言うと、
子供の理解度の問題です。
陸上アカデミアでは体験レッスンでさえ、
- 走りとは何なのか?
- どうすれば速くなるのか?
- 今君が速くなるためには何が必要なのか?
- 今の自分の動きを見て、
やりたいことができたのか?
ということを、
コーチと対話して行います。
その中で行う、
「自分の走った動画を見てやりたいことができたのか?」
に関しては、
一言で言ってしまうと
間違い探しなわけです。
そしてこの間違い探しは
年齢によって難易度が異なりますよね?

間違い探しは年齢ごとに難易度が異なる
つまりある程度の年齢(≒知能)でないと、
自分の動画を見てできているかできていないかを
判別することができず、
いつまで経っても上達することができない
という事態になります。
上で年齢(≒知能)と書いたのは、
幼稚園生でもしっかり考え、
動画を見て違いを見つけ、
自分の考えを話すこともできれば、
小学生でもそれができない子もいるので、
必ずしも年齢が指標となるわけではないということです。
実際地域柄もあり
陸上アカデミアの体験レッスンにいらっしゃる
幼稚園児・保育園児の半分程は
かなり知能レベルが高いなと思いますし、
そのほとんどの子はレッスンが上手くいくので
そのまま入会されます。
ただ残りの半分はどちらかというと
保護者が「速く走らせたい」と思って
連れてこられている場合が多く、
その場合は全くと言ってよいほど
レッスンは上手くいきません。
親の意思で無理やり連れてこられた子のレッスンは
100%上手くいかない
理由は走りを変えるというのは
自分のできていないところに向き合い、
それを見つけて改善していかなくてはならないからです。
それは幼稚園生にとっては(というか大人でも)、
非常に苦痛が伴うことであり、
更に元々幼稚園生には少しレベルが高いことを
要求していることもあり、
早い子は開始2分で考えることを放棄しだします。
こうなってしまうと最早レッスン継続は不可能となりますので、
僕は「〇〇君、考えるのが嫌だったら
もうこれで終わりでいいよ」と声をかけることになりますが、
大体のケースでは親が
「もっとちゃんと考えて!ちゃんとすればわかるでしょ!?」と
余計追い込み、結果的に子供は
一言も喋らなくなってしまいます。
ここまでなってしまう原因は、
「子供が本気でやりたいと思っていないのに連れてきた」親にあり、
その真因は「子供は親の言われたとおりに行動する」と
思っているところにあります。
「子供がやりたいことを応援する」ではなく、
「親がさせたいことを押し付けている」ということです。
僕は「子供にスポーツを教えている」ので、
圧倒的に普通の親よりは対子供の経験が多いです。
さらに「数人の自分の子供」に対してではなく、
「たくさんの子供」に対しての経験から言わせてください。
「子供に押し付けた習い事は120%失敗します」
理由は結局やりたいないので、
改善点を意識しないですし、
もっと上手になろうという積極性が皆無なので、
大人数で強制されて動く習い事しか
そもそも成立しません。
習い事をやる/やらないの決定権は
100%子供にあるべき
なので、習い事に関しては
100%子供の意思を尊重するべきです。
その上できっかけを作ってあげるのは良いと思います。
子供の世界と大人の世界では見えているものが異なるので、
子供はせいぜい見たものや友達がやっているものしか知りませんが、
大人の情報源は無限です。
子供が普通に生活していたら接することのない習い事を提案し、
体験に連れて行くことは親にしかできませんし、
それは必要だと思います。
ですがそこから「やる」「やらない」を決めるのは、
100%子供に委ねるべきです。
なので今回の相談者様に関しては、
そもそも年中さんに1,000mは長すぎますし、
完全に押し付けでぐずっている日も
サッカーをして連れて行っているので、
近いうちに子供は運動自体が嫌いになると思います。
大人だって嫌なことを無理やり強制されたら
嫌になりますよね?
なんでこの方は「我が子なら大丈夫」と
思ったのかが不思議です。
ここまでは300組以上の体験レッスンと
その後継続されたご家族の様子を見ていて、
僕がたどり着いた結論ですが、
ここからは幼稚園、保育園の子供に
スポーツを好きな状態にするには
どうすればよいかを書いていきたいと思います。
運動好きの子供に育てるための3ステップ
ということでここから実際に
運動好きな子供に育てるための3ステップを
解説していきたいと思います。
ステップ1:
大前提として親が運動を楽しそうにやること
まず1つめとしては、
運動を好きにならせようとしている
あなた自身が運動が好きかということです。
自分が好きでもないものを他人に好きにならせるのは
運の要素が大きいと思います
(ここでいう運とは、
家以外の場で子供が興味を持つのを待つということ)。
子供にとっての世界はほとんどが「家」で成り立っているので、
「運動は楽しい」という常識が
その「世界=家」で成り立っている必要があります。
ということは世界を構成している家族が
楽しそうに運動している必要があるわけです。
楽しそうに運動しているということは、
子供の身近に運動が存在しているということになるからです。
先程の子供の世界の話でもしましたが、
人間は自分から遠いいものには
興味を持つのが難しいです
(そもそも接点がないという点から)。
なのでまずは運動が身近に存在し、
そこに対して子供が興味を持てるようにする
環境づくりが大切ということです。
むしろ、子供が興味を持てるようにするための準備として、
運動を身近にするという矢印の方が
ただしいかもしれません。
こうした取り組みが上手い家族の例をご紹介すると、
レッスンに家族でいらして、
- テニスを習っているお兄ちゃんはレッスン、
その間に弟はお母さんとテニスの練習 - お姉ちゃんはレッスンで、
その間に弟とお父さんはサッカーボールを蹴ったり走ったり
などがあります。
僕が見れるのはレッスンに来ている際だけですが、
こうした取り組み自体は休日でもできるものだと思います。
ステップ2:子供に興味を持たせる
子供は大人の真似をします。
これは誰もが認める事実だと思います。
つまり家族がなにか運動をしていれば、
子供なりにそれを真似しようとするわけです。
そうなったらしめたもので、
少し一緒にやらせて運動が楽しいものと
認識させることができます。
ステップ3:取り組ませたい運動をその中に取り入れる
ここまできたら「運動は楽しいもの」という
認識になっていると思いますので、
最終的に取り組ませたい運動を
少しずつ取り入れていきます。
この段階で色々な運動に手を出してみても良いと思いますし、
本人が興味を持てば体験レッスン等に
参加しても良いと思います。
再三の注意になりますが、
長い準備期間を経て「運動は楽しいもの」という
認識をさせたので運動に対して興味を持ったわけです。
なので、1、2をすっ飛ばしていきなり3を実施することの
ないようにご注意ください。
運動が得意な子に育てるために
幼稚園児、保育園児で育みたい能力
ここまでは「運動を好きになる方法」について
お話してきましたが、
最後に「運動が得意な子」にするための
方法についてもご紹介します。
幼少期はできるだけ多くの動きをするべき
まだ小学校入ってないうちは、
なるべく色々な体の動かし方をした方が良いです。
理由は小さいうちからある特定の動きしかしないと
(例えば幼稚園生のうちから週5でサッカーとか)、
特定の能力しか伸びなくなってしまうからです。
例えばサッカーボールを蹴るのは上手だけど、
野球ボールを上手に投げられないというのは、
人間の能力として非常に歪です。
サッカーボールを上手に蹴れるのと
同じ身体を使っているのであれば、
ボールも投げられるはずです。
ひらがなを上手に書ける人が、
カタカナになると下手になるのは
ちょっと想像しづらいですよね?
サイズ差はありますが、
起こっている問題はこれと同じです。
これは「猛烈な反復練習を行った結果、
サッカーの動作が上手くなっただけ」といえます。
本来であれば様々な運動を行っていく過程で
運動全般が上手になるはずですが、
ある動きしか行った経験がないと
その動きしか上手くなりません。
あなた
うちの子サッカーしかしないから
良いんじゃない?

という親もたまに見かけますが、
サッカーに必要な運動が全てサッカーだけで
成り立っているのでしょうか?
例えばボールを投げる動き。
これは手首、肘、肩の問題だけではなく、
重心移動や身体の捻転などの要素も
絡み合ってできています。
ボールをスムーズに投げられるようになることで、
重心移動や捻転にサッカーとは違った刺激が入ることにより、
これまで伸びなかった能力が伸びるかもしれません。
(実際にあった例でいうと、
ボールを上手に投げられるようになったことで
力の抜き方を覚え、サッカーのプレーが広がった)
このように、「その種目だけ!」というのは、
その外側にある成長の可能性を
全て切り捨てているということになるわけです。
自分の身体を思い通りに使うための下地を作る
そのために例えばアスレチックとか、
それから友達と鬼ごっこ、ドロケイしてみるとか、
公園で鉄棒とかジャングルジムとかで
一緒に遊んでみるということが必要だと思います。
こうして様々な動きを幼少期に行うことによって
(どうせ中学生以降は自分の専門種目しか取り組まなくなるので)、
無数の刺激が入り、
自分の身体を思い通りに使うことができるようになるわけです。
「自分の身体を思い通りに使う」とは何かと言うと、
例えば1mジャンプしようと思って身体を動かして、
その結果として実際に1m先に着地してるということです。
ここが上手くできないと、
1m先にジャンプしようと思って力を発揮した
→でも実際は80cmしか跳んでない
みたいなことが起きます。
実際に走りの話をすると、腕振りでも
自分は目まで指を振ったつもりでも、
実際はへそまでだったとなると、
自分の主観と客観が上手くマッチせずに
一向に上達しないということになります。
なので自分がやってることと、
コーチ側(外部)から見てるのとギャップが非常にあると、
一向に走り(走りに限らず)が上手くならないという現象が起きます。
それを事前に防ぐための、
自分の身体を思い通りに使う練習というわけです。
これは何も幼稚園生や小学生に限ったことではなく、
中学生、高校生それか大学生になっても同じです。
自分の思い通りの動きができていないと、
将来目も当てられないほどの差が生まれる
自分の思った動きと実際の動きがあっていない。
これをいつ直すか、
いつこの能力を身につけるべきかと言うと、
間違いなく早い方がいいです。
例えば先程の例で、
自分の身体は1m動いてるものと思ったけど、
実際は80cmだったとします。
そのまま小学校の6年間、
中学校の3年間、高校の3年間過ごすのと、
ちゃんと1m動いたと思ったら1m動いてる身体で
その12年間過ごすのでは一体
どれだけの差が生まれるんでしょうか?
1m動かしてると思って80cmの人は
絶対する上達しないですよね?
日常生活してたとしても随分の差が出てくるはずです。
- 1cmや0.01秒を足りなくて負けた陸上選手
- 1歩足が届かなかったがためにボールに追いつけなくて
得点に絡めなかったサッカー - その1歩が足りなかったがために
盗塁を決められなかった野球選手
こうした例は枚挙に暇がないです。
そこに響いてくると。
そしてそれって大元たどっていくと何ですかというと
足が遅いではなく、
自分の身体をきちんと使えていないということだったりします。
なので様々な運動を行う時間的、
精神的余裕のある
幼稚園生、保育園生の頃から
沢山の種類の運動をさせておくことが、
スポーツを得意な子に育てる秘訣だと思います。
まとめ
子供を運動好きに育てたいのであれば、
「運動=楽しい」と思える環境を作り、
子供と一緒に楽しみながら取り組んでいくべし!
コメント